ちょっと前まで子供部屋おじさんをやっていた筆者でしたが、先日子供が生まれました。
妊娠37週と3日、お産はギリギリ正期産、体重は2,000gと同時期の平均体重よりも600g少ない低出生体重児。ここまで至るまでは紆余曲折がありました。
この記事はあくまでも素人が調べて書いたもので医学的根拠に基づくものではありません、あしからず。
血圧
妻は妊娠前の健康診断ではいつも所見はなく、いたって健康。しいていえば血中のコレステロールが若干高いぐらいでした。
妊娠が分かってからも中期までは検診も数分で終わり、母子ともに健康そのもの!全て順調に進んでいるかに見えたのです。
しかし妊娠後期に入ると上の血圧が140以上下の血圧が110を超え、妊婦特有の高血圧症状を示す”妊娠高血圧症候群”と診断され自宅から一番近い総合病院へ入院することになります。
また、妊娠後期になると胎児の体重の増加が段々と減少、胎児発育曲線の標準偏差内だったもののいつしかその標準偏差の下限までになってしまいました。
妊娠高血圧症候群は症状として赤ちゃんに十分な栄養がいかなくなってしまい、発育の遅れを引き起こすというやっかいなもの。しかも妻自身にはあまり自覚症状がなく進んでいきました。ただでさえ経験したことがない初産に向けて一つの不安材料が出来てしまったのです。
減塩・安静
入院してからは日に何度も血圧を測り、尿検査やNSTなども合わせた経過観察が行われました。自宅で療養するよりも万が一何かがあったときの対応が出来るため安心ではありましたが、初の出産に加え初めての入院。しかも突然に訪れたイベントに妻はどれだけのストレスを受けたのか想像に難くありません。
病院食は高血圧対策に減塩メニュー、妻は毎日病院食のメニューを送ってくれましたが、白米にキャベツのおひたしに豆腐などの日もあり。お世辞にも美味しそうとは思えないものでした。
入院初日の段階では上の血圧が150を超え尿からはたんぱくが出ていたため、帝王切開を視野に入れていましたが血圧を下げる薬がそこそこ効き、だましだまし正産期まで母子ともに持ちこたえることが出来たのです。
結果として妻は陣痛促進剤を点滴で投与し、人為的に子宮を収縮させて出産をすることになりました
いざ立ち合い…
そしていざ迎えた陣痛促進剤の投与する日。
その日は平日だったことと、陣痛促進剤をつかっても初産婦はお産まで割と時間がかかるという情報もあったため筆者は仕事に出ました。仕事中も一時間にいっぺんぐらいLINEで妻とやり取りし、現状を報告してもらっていました。
「今日出産できたらラッキーだって」という妻からのメッセージ
ふ~ん、それぐらいなら夕方ぐらいに病院にいけば立ち会うことが出来るかな。そんなことを考えながらも保険として午後は有休を出し、昼ご飯を食べつつ気楽に病院へと車を走らせていました。
スマホでジャルジャルのコントを車中で流していると、そのスマホが鳴ります。相手は”○○総合病院”
何故!?お産まではまだ余裕があるハズ…そんなことを思いながら電話を取ると
「奥様分娩室に入りました、もう生まれちゃいます!」
いやいや…
今日生まれたらラッキーていうてましたやんか…!!!
立ち会うためにこの一週間体温と体調を表に書かされていた身とすると(そうしないと立ち会えなかった)だまされた気分になりながらハンドルを握る手は湿り気を帯びます。
「間に合ってくれよ…!」
漫画の主人公みたいな独り言をつぶやきながら、病院の駐車場に駐車して産婦人科病棟へダッシュで向かいました
新たな不安材料
結果として筆者はお産に立ち会うことが出来ませんでした、
妻は陣痛促進剤とフィーリングがばっちりあったらしく分娩室に入ってから初産とは思えないほどのスピードで第一子を出産したのです。
立ち会ったら絶対手を握っていよう、こんな声掛けをしよう…そのシミュレーションも全くの無意味。ともあれ母子ともに無事に出産が済んだという情報のみをもらい、出産直後の妻と面会することになりました。
ぐったりとした様子の妻を称えていると、医師の方が入ってきて説明を始めました
「赤ちゃんは体重2000g、NICUに入ります」
「奥さんのへその緒には通常3本ある太い血管が一本少ないです」
なぜこう次から次へと不安材料がでてくるのか、出産中に妻の”単一臍帯動脈”という病気が発覚したのでした。
単一臍帯動脈
この単一臍帯動脈というのは、本来へその緒にあるべき赤ちゃんに栄養や酸素を運ぶ動脈の本数が一本少なくなってしまっているというもの、何と発症確率1%。
調べてみるとこちらの病気も胎児の発育不全を引き起こすし、なんだったら胎児奇形まで引き起こすという怖い病気であるというサイトが結構出てくる。ただでさえ生まれてきた赤ちゃんが今どういう状況なのかもつかめていない状態なのに…
もうただただ不安でしかない、新生児の検査も最初は2時間という話だったのが気づいたら3時間も同じソファで待たされているし…なんやこの状況?嫌な方へ嫌な方へと想像は膨らんでいきます。
待たされる事3時間の余、ついにNICUの扉が開きました
対面
NICUの中で筆者は初めて我が子と対面することが出来ました、うつ伏せで保育器の中に横たわっている小さな赤ちゃん。自分一人だけではとても生きていくことのできないだろうその姿に、庇護欲とともに感動の波が襲ってきました。
しばらく眺めていると医師から説明があるという事で、まず筆者一人だけで聞くことになりました。
結論から言えば「気になるのは低体重であること」ということのみ。つまり我が子はただ単に小さく生まれてきただけで脳も心臓も奇形は認められなった、ということでした。
途中から妻も同席することになり、医師は再度同じ説明をすることになります。筆者はその間どうしても安堵の涙と鼻水を抑えることが出来ませんでした。
小さく生まれてきたこと
現在我が子はまだNICUに入っています、できればこのまま何ともなく無事に大きくなって退院することを願っています。
そして言葉が話せるようになったら、「お前は80兆分の1の確率でうちの子に生まれて、1%の人がかかる病気を乗り越えて生まれてきた奇跡なんだ」と伝えてやりたい、そう思っています。
あまりにも我が子との対面で感動してしまったので、素面なのにめちゃくちゃクサいことを書いてしまいました。でももしウチの夫婦と同じような状況の方たちを少しでも励ませればと思ってこの記事をしたためました。
案ずるよりも生むが易し。頑張って下さい!
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