キャッシュフロー計算書を理解しよう!
それでは作成したCF計算書を読み解いていきましょう。
キャッシュフロー計算書とは?
財務諸表といえば、貸借対照表と損益計算書の二つです。
端的にいうと貸借対照表は現預金などの資産、借入金などの負債の暦年の動きを確認できます。
損益計算書は売上やかかった経費など、単年度での成績を表すモノです。
この二つの財務諸表を例えるならば、貸借対照表が会社設立からの成績を繋いだ動画であるとするならば、損益計算書はその動画を切り取った一枚の写真、二つは切っても切り離せない関係性にあります。
しかし、この二つの財務諸表では現金の増減こそ読み取れますが、売上が上がったから現金が増えたのか?借り入れをしたから増えたのか?というようになぜ現金が増減したのか、その原因を把握することは難しいのです。
その現金の増減を可視化してくれるのが、このキャッシュフロー計算書なんです!
キャッシュフロー計算書の構成
基本的にキャッシュフロー計算書は以下の3部構成となっています。
順番に見ていきましょうね!
1.営業活動によるキャッシュフロー
営業活動によるキャッシュフローは、法人が1年間商売で稼ぎ出した現金の増減が表示されます。
損益決算書では黒字でも現金がショートしてしまい倒産する“黒字倒産”というものが存在するように、決算書の数字は良くても売掛金や手形の回収サイクルの関係でキャッシュが実は減っていた!ということは往々にしてあります、そうした事象をこの営業活動によるキャッシュフローは見逃しません。
この部分がマイナスになってしまっていると、売り上げに対する経費が非常に多かったり、商売自体の採算が取れていない可能性があります。
基本的にプラスが好ましい部分です
2.投資活動によるキャッシュフロー
こちらはこの一年間で法人がいくら証券や固定資産などを購入して投資をしたか、またはそれらを売って現金を確保したかを把握することのできる部分です。
例えば車両を購入すればその分だけマイナスになりますし、車両を売却した場合はそれだけプラスになるわけです。
この部分は一概にはマイナスだからいけない!という訳ではなく、商圏や生産効率を上げるための設備投資によって一時的にマイナスになってしまうことがあります。
それだけのキャッシュと企業体力を保有していることになりますので、マイナスだからといって決して銀行からの印象は悪くはありません。
3.財務活動によるキャッシュフロー
この部分は銀行や役員からの借入など、法人外部から資金を調達したりすればプラスになり、逆に返済すればマイナスになっていきます。
ここもマイナスだから悪い、というように一概には括ることができません。
設備投資に回すために借り入れをしたので大幅にプラスになっている場合もあるでしょうし、銀行からの借入を早期返済したためにマイナスになっていることもあります、基本的に財務諸表と整合性が取れていれば良いでしょう。
しかし、銀行からの借り入れが残っているのに役員借入を大幅に返済してマイナスになっている場合は非常に印象が悪いです。
フリーキャッシュフロー
営業活動によるキャッシュフローと投資活動によるキャッシュフローを足したものがフリーキャッシュフローと呼ばれるもので、法人が自由に使える現金を一年間でどれほど生み出せたかが分かります。
基本的にこの部分が多ければ多いほどいいのですが、あまり多すぎても無駄な遊休資産を保有してしまっていることになります。適度に投資に回し事業規模を拡大した方がいいでしょう。
まとめ
入りから作ると非常にめんどくさいキャッシュフロー計算書ですが、中小企業庁のツール集を使えば非常に簡単に作成することができます!
キャッシュフロー計算書は、法人の現預金が何故増減したのか?その理由を知ることのできるものです。近年は損益計算書と貸借対照表に、このキャッシュフロー計算書が加わって財務諸表とされる場合もあります。
かなり簡便に説明しましたので言葉足らずな部分が多いかと思いますが、この機会に是非キャッシュフロー計算書の中身まで見れるようになっておくと便利ですよ!
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