あびる優に岩佐真悠子、そんな地味にリアルな人選で説得力が増すモキュメンタリー映画です!
あらすじ
心霊番組のレポーターを務めることになったタレントのあびる優、岩佐真悠子、入来茉里の3人は、
霊能者同行のもと、母・朋絵と娘・美保の二人暮らしで霊現象に悩む金田家を訪れる。
霊能者の雲水は除霊を試みるが、それに反発するように様々な怪現象が起き、美保が悪霊に取り憑かれてしまう。
力量不足と感じた雲水は師匠の龍玄を呼び、再度除霊を試みる。
一見、除霊は成功したかに見えたが、状況はさらに悪化して龍玄も雲水も倒れてしまう。
自分の力では到底太刀打ちできない悪霊がいると感じた龍玄は、強力な能力をもつという霊能者に除霊を託す。
除霊を託された「NEO」と名乗る青年と悪霊との戦いが、始まろうとしていた―
~Wikipediaより~
モキュメンタリーとは?
映画やテレビ番組のジャンルの1つ、架空の人物や団体、虚構の事件や出来事に基づいて作られるドキュメンタリー風表現手法である。
モキュメンタリーは擬似を意味する「モック」と、「ドキュメンタリー」のかばん語であり、
「モックメンタリー」「モック・ドキュメンタリー」ともいう。また、「フェイクドキュメンタリー」と呼ばれる場合もある。
~Wikipediaより~
つまりは実際のドキュメンタリー映画に見せかけたフェイクのフィクション映画という事です。
近年で同様のジャンルで一番の成功を収めたのが、魔女伝説を扱った『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』 です。
ブレアウィッチも手持ちのカメラで伝説を追っていくというドキュメンタリー構成で、恐らく白石監督も非常に影響を受けた作品だと思います。
そして日本ホラー界のモキュメンタリーの名手が白石晃士氏その人!
自身の代表作「コワすぎ!」シリーズは一部ファンからそれこそカルト的人気を博しています。
嘘をつくときは…
皆さんはこんな言葉をご存知でしょうか?
「嘘をつくときは少しだけ真実を混ぜるといい」
そう、今作もそんなウソをつくときのコツを上手いこと使っているんです!
上の画像の演者を見てください、霊能力者はまぁ分からない方が良いとして
右から岩佐真悠子、右から二人目があびる優、一番右が入来茉里…
いや入来茉里って誰!?
そう、この入来さんが今作の「ウソ」要因なのです、
ドキュメンタリーなので岩佐とあびるに何かがあっては現実と齟齬が出てしまいます、
しかし無名の女優である入来さんなら究極劇中でどうなったって良いんです!実際彼女は見事にトリックスターの役割を果たしています。
アクの強いキャラクター
白石監督作品の魅力の一つにめちゃくちゃアクの強いキャラクターが挙げられます。
代表的なのが「コワすぎ!」シリーズのディレクター工藤です。
なんと素手で除霊のできる霊能力持ちのパワハラディレクターという個性の塊!
今作でもそのキャラクターメイキングの上手さはいかんなく発揮されています。
まずはちょっと胡散臭いけど普通に実力がある霊能力者龍玄。
まぁここまでは普通に居そうなので理解が及ぶのです。
横柄な態度なのに実力者という、もう漫画の中から出てきたんかっていうキャラクターがこの霊能力者ネオです。
平穏な日常が突如崩壊し怪奇現象が起こるという非日常の中で、非日常のキャラクターが違和感なく出てくるというのが白石監督のなせる業なのではないかと思います。
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総評
80分未満という短い時間の中で、キャラクター付けをし怪異を発生させ解決へと持っていく、
なかば力業のようなものではありますが、その勢いとノリで理解させられてしまう世界観を構築する白石監督。
その片鱗を味わうことのできる入門編的な作品であると思います。
白石監督作品ならこちらもおすすめですよ☝
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