世界一卑猥な絵画『世界の起源』

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COLUMN
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1866年に描かれた絵画なのに卑猥すぎてFacebookのプロフィール画像に2011年まで使用できなかった、という逸話が残る一品について考えた。

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『世界の起源』とは

1866年、フランスの写実主義画家ギュスターヴ・クールベによって描かれた絵画。

通報が怖くて掲載できないので皆さんで調べていただきたいが、詳細としては「ベッドの上で足を開いた裸の女性の生殖器と腹部をクローズアップで描写」している絵画である。

あまりにも直接的な描写に「19世紀一卑猥な絵画」や「世界一卑猥な絵画」として揶揄されることもある一品だ。

ギュスターブ・クールベ

さて、この世界一卑猥な絵画を描いたのはどんな人物であったのだろうか?

その名もずばり”ギュスターヴ・クールベ

名前の圧が凄い。濁点が多い。

そんな圧の凄いクールベだが、非常にロックな人間だったようだ。


1844年、25歳という当時の基準で言うと遅いサロンでの入選を果たし、着実に実力と名声を高めていった。

時は流れ1855年、パリにおいて世界で2番目の万国博覧会が予定されていた。

クールベは、この万国博覧会に大作『画家のアトリエ』と『オルナンの埋葬』を出品しようとするが、これらの大作は落選してしまった。

するとクールベは博覧会場のすぐ近くに小屋を建て、「ギュスターヴ・クールベ作品展。入場料1フラン」という看板を立て作品を公開した。

当時、画家が自分の作品だけを並べた「個展」を開催する習慣はなく、このクールベの作品展は、世界初の「個展」だと言われている。

そう、作品が落選した当てつけに当時のレートで1,000円という割と今の展覧会と変わらんような値段で個展という文化を作ってしまったのだ!

レアリスム宣言

この個展の目録に記されたクールベの文章もこれまたロック、後に「レアリスム宣言」と呼ばれることになる文章だ。

私は古今の巨匠達を模倣しようともなぞろうとも思わない。

「芸術のための芸術」を目指すつもりもない。

私はただ、伝統を熟知した上で私自身の個性という合理的で自由な感覚を獲得したかった。

私が考えていたのは、そのための知識を得る事、私の生きる時代の風俗や思想や事件を見たままに表現する事、つまり「生きている芸術」を作り上げる事、これこそが私の目的である。」

当時は全盛ではないにしろ、まだまだ宗教的で伝統的であったロマン主義画家が幅を利かせていた時代。その中でクールベは”自分の目で見たもの”を追い求めたのだった。

しかし読めば読むほどかっこいい、ロマン主義に対して盛大なDISをせず自分の信念を表現した文章だ。

世界の起源

そんな経緯があってクールベはエロティックに傾倒していく。そして描かれたのが『世界の起源』。

人間だれしもが通りこの世に生を受けることとなる女性器をクローズアップ、タイトルも何の捻りもない所まで徹底的にリアリストだ。

ロマン主義下でも女性の裸は描かれているものの、神秘的に壮大に勇猛に。

裸体はエロさとはかけ離れた形で書かれているものが多かった。

ロックなクールベはそれが耐えられなかったんだろう、

自分の目で見た歴史性も神秘さも皆無、ありのままの女性と女性器を前面に強調したリアルさを追求した絵画が”世界の起源”であったのではないだろうか。

そう考えると全然エロく感じない、彼が到達したであろう場所に思いを馳せることが出来る偉大な絵画であるといえるだろう。

最後に

だらだらと書いては見たものの、筆者も最初は”世界一猥褻な絵画”という文言に興味を惹かれたただのエロ感知蝿(エロカンチバエ)

クールベや当時の芸術界隈に関する知識なんてちょっとググってみただけなので真に受けないでほしい。

しかし、ただのエロ画家が描いたエロい絵という認識だったものが、調べれば調べるうちに高尚なものへと変化していく様はなかなか味わえるものではなかったと思う。

今活躍しているエロ漫画家も、もしかしたらそんな感じで伝承されていく可能性もあるのではないかと考えると、

歴史っていい加減なものだとも思うし偉大なものであるとも思う、不思議な一日であった。

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