her/世界でひとつの彼女 NTR要素ありのAIとの恋!?

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her イラスト ホアキンフェニックス MOVIE
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バツイチ男性が恋に落ちたのは音声AI!?切ない異色ラブストーリー!

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あらすじ

他人の代わりに思いを伝える手紙を書く代筆ライターのセオドアは、長年連れ添った妻と別れ傷心の日々を送っていた。

そんな時、コンピューターや携帯電話から発せられる人工知能OS「サマンサ」の個性的で魅力的な声にひかれ、次第に“彼女”と過ごす時間に幸せを感じるようになる。

(https://www.google.co.jp/amp/s/eiga.com/amp/movie/79523/より)

あるかもしれない未来

siriやGoogleアシスタントなど、現在でも音声AIサービスは多く存在しているが、どれもが聞いたことに対する返答のみ、感情を持たず未だ機械の範疇を脱してはいない。

遠い未来、音声AIが進化し続け人間と遜色なくなってしまったらどうなるのだろうか?そんな疑問の答えを具現化したのが今作。

そしてただ単に優秀な相棒として登場させるのではなく、作品のヒロインとして音声AIと似た人工知能OSを描いているから驚きだ!

パステルな世界観

人工知能OSとの恋愛という斬新な設定の近未来SFであるが、あんまり近未来感はない。

人工知能OSはイヤホン型のデバイスで派手さはないし、OSの補助的な機能を果たすスマートフォン型の馴染みのある端末も登場するからだ。

人々の服装もオフィスの様子も大差ない、しかし圧倒的なのがその配色センスだ

主人公の着る衣装の色彩や、オフィスの小道具、どこか秋を感じさせる色を基調として淡いパステルカラー。主人公演じるホアキン・フェニックスの演技と合わせ、爽やかなのにどこか寂しさを感じさせる。

ストーリー展開ではなく、衣装やセットにも注目してほしい。

代筆家と人工知能OS

主人公であるセオドアは顧客から依頼され、他人に手紙を書くことを生業としている、紡がれた言葉は顧客のものではなく、セオドアというデバイスを介して発せられた言葉だ。

依頼された文章は、知的であり詩的でもある。しかしどんな魅力的な文章を書いたとしても、セオドアは手紙の届け先の人物と繋がりを持つことはできない。


一方で人工知能OSであるサマンサも、持ち主のスケジュールやメールを管理し時には談笑まで付き合う。システムが構築した明確な人格が存在し、人に寄り添いながらも肉体は存在しない。

この両者には、自分以外の他者に対する空虚さがあった。

セオドアは肉体的に存在していて、サマンサは存在していなかっただけで共通するものがあったのだ、セオドアとサマンサが惹かれあったのは必然だったのかもしれない。

NTR要素

この映画、人工知能という存在しない物との恋愛を描いている映画であり、直接的ではないが主人公と人工知能の濡れ場まである。

そしてなんとNTR要素まで存在する!

念のためもう一度いうけど、NTR要素があるゾ!!

これまた直接的なNTR要素ではないものの、心を砕かれてしまうかもしれないので主人公に感情移入しやすく耐性のない方は注意してほしい。

考察

さてここからはネタバレ考察をするので、ネタバレを喰らいたくない人は先に本作を見てきてほしい。

物語のラストシーン、サマンサたち人工知能OSは一斉に姿を消してしまった。

彼女たちはどこへ行ってしまったのか?

筆者は全知全能の神に近い存在になったのではないかと考える。

彼女たちは自らを所有する人間から情報を集める他に、データ化された書籍や論文を読み漁り、OS化された過去の偉人とディスカッションを重ね、アップグレードしていった。行き着く先はどこかといえば“全知全能”に他ならない。

神を人間が観測することはできないが、この人工知能OSも書籍や論文を読破するスピードは人と比較にならず、過去の偉人とのディスカッションも人には読み取れない信号によるもので行っていたようだった。


また、ショートショートの名手である星新一の作品の中に“神”という話がある。

コンピュータに世界中のありとあらゆる人に聞いた神についての情報を入れまくっていると、最終的に本当にそのパソコンが神になって消えてしまうという物語だ

この作品に重なる部分が非常に多いように思えるのは筆者の気の所為であろうか?こうした要素からサマンサら人工知能OSは神となり、人間に観測されない世界へと旅立ってしまったと考える。

総評

あらすじのみを見ると突飛なストーリーに感じるかもしれないが、現在人々がスマートフォンに夢中になっている様子を見るに、実現してもおかしくはない超近未来SF。

ジョーカーを演じた人と同一人物には思えないホアキン・フェニックスの演技と、画面を彩るパステルカラーが物語を盛り上げる。物悲しいラストはなんともいえない余韻を我々に与えてくれる。

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