ザ・ピーナッツバター・ファルコン 優しさに包まれた現代の御伽噺

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MOVIE
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全く境遇の異なる男女三人がイカダで旅をする、というロードムービー。現代の「ハックルベリーフィンの冒険」と形容された心温まる一本。

作品名(評価):ザ・ピーナッツバター・ファルコン(A)

制作(公開年):アメリカ(2019)

監督:タイラー・ニルソン、マイケル・シュワルツ

主演:ザック・ゴッサーゲン、シャイア・ラブーフ、ダコタ・ファニング他

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あらすじ

老人の養護施設で暮らすダウン症の青年ザックはプロレスラーになることを夢見ている。

そんなある日、ザックは一念発起して養護施設から脱走し、とあるレスラー養成学校へと向かうことにする。

その養成学校はザックが憧れているレスラー、ソルトウォーター・レッドネックが運営する学校である。道中、ザックは逃亡中のならず者タイラーに遭遇する。2人は一緒に旅をすることになり、タイラーはザックのスパーリング相手を務めることになる。

ほどなくして、2人は施設の看護師エレノアに追い付かれてしまうが、説得の末に、エレノアも旅に同行することになる。

(Wikipediaより引用)

ハックルベリー・フィンの冒険

何故今作は現代のハックルベリーフィンの冒険と形容されるのだろうか?

そもそもハックルベリー・フィンて誰なんだ?

ハックルベリー・フィンとは?

言わずと知れた児童小説「トム・ソーヤーの冒険」に登場するトム・ソーヤーの親友

彼が主人公である「ハックルベリー・フィンの冒険」では、アル中の父親から逃避するため、黒人の使用人ジムと共に奴隷制を廃止した自由州へとミシシッピー川を下る様子が描かれている。

ハックルベリー・フィンの冒険とは時代も背景も全く異なっているが、今作も主人公3人がイカダを使って自由へと逃避しようとする様を描いたロードムービーなのである。

感化

今作の主人公は3人存在する

そんな3人のうちタイラーは自らのミスで兄を失い、食い扶持を稼ぐために漁場を荒らして追われる身となってしまったクズ

ザックはダウン症で養護施設暮らし、プロレスラーに憧れ施設を脱出しレッドネックの運営するプロレス学校を目指すこととなる

エレノアは看護師で、ザックが入所していた養護施設の職員。脱出したザックを所長の一言で連れ戻しに奔走する、今作唯一の旅の目的がない主人公

この全く無関係で無作為に見える3人が出会い、ザックの純粋な「プロレスラーになりたい」という想いに感化されてイカダで旅をすることになる。

以上のような純粋無垢な青年の夢とそれに感化された者たちの物語なのであるが、実は現実世界ともリンクした作品となっているのをご存知だろうか?

現実世界とのリンク

主人公の1人タイラーを演じるシャイア・ラブーフは『トランスフォーマー』シリーズや『コンスタンティン』など有名作品に多数出演する売れっ子俳優であったが、素行不良で有名であり中でも酒癖の悪さは致命的だった

路上喫煙した上に酒気帯び運転での事故を起こし、彼はその際左手の指二本を失ったりもしていたのだ。

今作の撮影中も彼は酩酊状態で迷惑行為に及び逮捕、さらに勾留中にアフリカ系の警察官に人種差別的発言を繰り返すなど映画さながらのクズ行為に及び全米から批判を浴びることになってしまった

当然撮影中であった『ザ・ピーナッツバター・ファルコン』にもその火種が飛び、後悔が危ぶまれてしまう。そんな折、本作が俳優デビュー作となるザック・ゴッサーゲンは「君はもう有名だけど、これが僕のチャンスなんだ。それを台無しにした」とラブーフに言った。それを聞いたラブーフは更生することを誓い、アルコール中毒の治療に真剣に取り組むことにした、という逸話だ。

純粋無垢な青年の夢に感化され、それを叶えるべく行動に移す。まさに作中のストーリーと同じことが現実世界でも起こったのであった。

優しさ

今作はザックの夢の中を描いたような作品となっている、彼がしたいように世界は動くし、人は彼の純粋な想いに惹かれてついてくる、とにかくザックに対して優しい世界観なのだ

それもそのはず、この作品はザック・ゴッサーゲンが「映画スターになりたい!」と監督であるシュワルツに直談判

「その夢は叶わない」と言ったシュワルツに対し「じゃあ僕のために映画を作ってくれよ」と言った一言から生まれた映画だ

監督自身もザックの純粋な夢に感化された1人であり、映画が作られた経緯もザックに対する優しさからできている。作品全体が優しさに満ち溢れているのも当然といえよう。

総評

現代のハックルベリー・フィンの冒険は、1人の青年の純粋な夢に感化された人たちが作り上げる優しさに満ち溢れた作品に仕上がった

ハンディキャップを抱えながらも、人一倍の夢と努力ででかいプロレスラーをぶっ飛ばすザックに勇気をもらえる

見終わった後もほっこりとした気分になれる一本だ


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