ヘイトフル・エイト 血みどろタランティーノ劇場を考察!

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MOVIE
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登場人物、全員が嘘をついている―

ミステリでもあり西部劇でもあるという新感覚エンタメ作品!

『レザボア・ドッグス』『キルビル』でおなじみのクエンティン・タランティーノ監督の八作目の作品…だから『ヘイトフル・エイト』

そんな安直なネーミングから飛び出すのは、タランティーノ節全開の閉鎖空間でのサスペンス、そしてお馴染みのゴア要素!

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あらすじ

南北戦争終結から数年後の冬、猛吹雪が迫るワイオミング州の山中。

レッドロックへの道中を急ぐ賞金稼ぎジョン・ルースと賞金首デイジーが乗る馬車に助けを求め、同じく賞金稼ぎのマーキス、レッドロックの新任保安官を名乗るマニックスが同乗する。

お互いがお互いに何かを腹の中に隠したまま、一行は”ミニーの紳士服飾店”を猛吹雪からの避難場所に選ぶ。

到着するとそこには何故か店主のミニーがおらず、国籍も年齢も職業もバラバラな4人の先客が居た。

南北戦争時代敵対していたもの、同軍であったもの…様々な思惑が絡み合い、山中のロッジはやがて血みどろの戦場へと発展していくこととなる―

まるで舞台

今作一番の特徴は、場面やストーリー展開の節目で暗転しサブタイトルと共にナレーションが入る点です。

三時間近いボリュームのある作品でありますが、この舞台や小説を読んでいるような演出技法で非常にテンポが良く感じます

また、この章を区切りに大きく物語が動いていくので、好きなタイミングで視聴を区切ることが出来るという点もサブスクリプションサービスに上手い事刺さった映画であると言えるでしょう。

多くはありませんが伏線も張られているので、一回目と二回目で着目する所が全く違うというのも面白いですね。

疑似南北戦争と現代アメリカ

今作はただのエンタメ作品に留まらず、南北戦争というアメリカの歴史を背景に展開していきます。

現実と同じように奴隷制存続を支持し黒人をはじめとする有色人種を差別した南側陣営、そうした奴隷制から有色人種を解放するべきだとした北側陣営がひょんなことから同席する所から物語は始まります。

中盤は南北の対立構造がハッキリとし、争いこそ起こらないものの両陣営の溝は深まっていきます。

広いロッジの中とは言え南北陣営がそれぞれに領土と称して過ごすスペースを設けるほどに猜疑心は高まり、真ん中のスペースを緩衝地帯とすることに決めました。まさに開戦前夜です。

終盤お互いへのヘイトは最高潮に達し、過激な挑発の末ついに血が流れることになります。

しかし物語の核となる重要な秘密が判明すると、南北はその垣根を越えて協力し共通の敵を叩くことになります、いつの間にか疑似南北戦争は終わりアメリカという共有した土地の安寧を脅かす、または脅かそうとする”悪人”を完膚なきまでに徹底的に潰す現代アメリカへと時代が変遷していくのでした。

タランティーノはこの作品を通じ、南北戦争から現代までのアメリカの歴史をなぞっているのかもしれません。

ゴア要素

ピリピリした雰囲気でいつ人が死んでもおかしくない、という雰囲気が伝わってくるのが序盤から中盤にかけて。

中盤からはタガが外れたように人がバンッバン死んでいきます。

特筆すべきはわざとらしいほどの出血描写!中でも中盤の毒殺シーンでは笑っちゃうほど登場人物が血を吐きます、それはもう凄い勢いで吐くんです!

そんな威力なさそうな銃で簡単に頭がぶっ飛びますし、そうかと思えば足の指だけが吹っ飛んだりともうやりたい放題!前半と後半では全く趣向の異なる作品といえるかもしれません。

伏線映画?

登場人物全員が嘘をついている―という魅力的なコピーが躍る今作ですが、そこまで大きな伏線があるわけではありませんし未回収の伏線があったりもします。

シャッターアイランドのように伏線を拾っていくのが楽しい!という映画ではありませんが、二度見ると納得できたりニヤリとできるシーンは多々あるので長尺ですが複数回見ることをお勧めします!

総評

サミュエルLジャクソンがついている嘘など、とんでもないどんでん返しを期待すると肩透かしを喰らうかもしれませんが、疑似南北戦争やアメリカの歴史に思いを馳せることのできる作品。

ぶっとんだゴアシーン、名作曲家エンニオ・モリコーネの音楽、本筋に関係ない所でのクオリティが高いのも特徴の一つでアカデミー作曲賞を受賞していたりします。

良い感じに区切ってみることが出来るので見やすいですよ!

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