アメリカで俳優として一花咲かせ香港へと凱旋したブルース・リー主演のカンフー映画です!
あらすじ
タイを舞台に、製氷工場を隠れ蓑にして麻薬を密売しているギャングの一味に、次々と従兄弟達を殺されたチェンが怒りを爆発、ギャングのボスやドラ息子に復讐の闘いを挑む。
人間臭い主人公
彗星の如くあらわれ彗星の如くこの世を去ったブルース・リーを、香港のトップスターに押し上げた一本。
今作の特徴の一つにあげられるのは、非常に人間臭い主人公の姿です。
従兄弟たちが次々と氷工場で姿を消して行くのにも関わらず、マッチポンプ的に自分が工場長に任命されるとルンルンで歌いながら帰ったり。
社長に行方不明になった従兄弟の捜索願を出すよう直談判しに行ったのに、うまい酒と美女に一瞬で懐柔され丸め込まれたり。
終盤まで悪役の掌でコロコロ転がされ続け、本当に近しい身の回りの人間に危害が降りかかってはじめて行動に移す。なんだか最近の政府に対する日本国民と被って見えるのは私だけでしょうか?
スプラッタ要素
また意外とスプラッタしているところも魅力の一つ。
氷工場では確実に労災事故が起こるでしょコレ…という、床からせり出してくる丸鋸があるのですが、氷工場で人を殺すたびにこの丸鋸が大活躍して死体を切断しまくるんです!
それだけに飽き足らず、氷の中に死体の一部を隠すという割とエグい方法で死体遺棄するギャング。現代スプラッタ描写でも通用するシーンではないでしょうか。
強すぎるブルース・リー
カンフー映画といえば拳のみで相手を撲殺するのがデフォルトですが、ドラゴン危機一発の主人公はそのデフォルトでさえ優に超えた強さを誇ります。
何って壁に押し付けた相手に本気パンチをブチ込むと人形の穴が開くほどのパンチ力!
漫画じゃねぇんだからさ!
しかし今作の撮影中、握力が強すぎたためガラスのコップ握り潰して10針縫う怪我をしたという逸話を持つブルース・リーなら、割とあり得るのでは・・・?と思えてしまうから不思議です。
超勧善懲悪
もちろんカンフー映画のセオリー通り、最後はラスボスである製氷会社社長をマウントの体制でボッコボコに殴って葬り去るのですが、
ちゃんと主人公が逮捕されます。
あくまでフィクションなんだから復讐を果たして終わり!で良いのでは…と思わずにはいられません。出稼ぎにきたタイで殺人犯として逮捕されるとか、悪夢以外の何ものでもないですね。
またブルース・リーが社長のドテッ腹に指を突き立てるシーンがあるのですが、まんま北斗の拳です。
総評
コミカルな表情から鬼の形相までの幅広い表情、そして小気味いいアクションシーンを見せるブルース・リーに魅了される作品。
ラストバトルの重要なシーンなのに、道路では普通にバスや車がのどかに走っているロケーションの甘さも、当時のおおらかさを象徴しているように感じます。
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