デビルマンという昭和を代表する原作を持ちながら、2000年代を代表する糞映画として名をはせることになってしまった本作。
では逆にどうすれば佳作になっていたのだろうか?
「おれ、でーもんになっちゃったよ(棒)」
今作の酷い所は数多くある、ほんとに貶そうと思えばどこまでも貶せるのだ。
その要因となった一つ、演者の演技力である。
グラップラー刃牙OVAの審判しかり、「耳をすませば」のお父さんしかり、プロの中に素人が入っていると何とも滑稽になってしまうのは世の常であるが、今作の主演俳優である伊崎兄弟は本当にひどかった。
全てのセリフに感情が乗ってこないという致命的欠点。
なんだったらたまたま出演していた当時小学生の染谷将太の方が演技がうまい始末。
まず私はここを替えたい、代役はバトロワやってた頃の藤原竜也(一人二役)か神木隆之介と本郷奏多を推したい。
というかココを替えたとしても演技力が上がっただけでかえって笑えない糞映画が完成するだけというのが凄い。
田圃を全力疾走する鳥肌実
あくまで選考して選んだとは言っているが、本作の監督と脚本は夫婦である。
そのなぁなぁさが作品全体に弛緩した雰囲気を与えているのは間違いない。また、ボブ・サップや小林幸子など謎の人選のカメオ出演が更に作品の緊張感をぶち壊している。
ただ、今作で一番笑えるポイントである鳥肌実の全力疾走シーンを生んだという点では神がかり的な采配であるともいえる、一長一短だ。
ここにメスを入れるとするならば、脚本か監督に堤幸彦をぶち込みたい。
クドい演出は入るかもしれないが、少なくとも不気味な画は撮れる。
ちなみに本作の監督はもう亡くなっているので鳥肌実のあの画はもう誰にも撮れない。文化的損失である。
コペルニクス的転回
そもそもなぜ本作が公開してから現在までボッコボコに叩かれ嘲られているのか?
そう、「デビルマン」という偉大過ぎる原作を背負ってしまっているからである。
だから今からでも遅くない、タイトルを替えてしまおう。
(デーモンマンとアモンとか、それっぽいのがいっぱいあるよね)
するとどうだろう、偉大過ぎる原作に限りなく似たストーリーを持つ凡百の糞映画にランクダウンするではないか!!まさに天動説から地動説への変遷!
みんな違ってみんな良い
つらつらと講釈を垂れてきたが、結局みんな実写版デビルマンは大好きなのだ。
見てるだけで笑えてくるし、俺もまだまだ捨てたもんじゃないな、そんなふうな気持ちさえしてく る。
上記のような方法で、名作とは言えずとも佳作になったデビルマンを見て誰が喜ぶだろうか?
永井先生はもしかしたら喜ぶかもしれない!
けど違うんだ、デビルマンは未来永劫語り継がれる糞映画で良い、そのままの君でいてほしい。
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