マンネリしがちなゴアシーンにちょっとのオシャレさとウィットをプラスしたアイリッシュスプラッタ映画です!
あらすじ
トミー少年の誕生日パーティーに呼ばれたしがない道化師。
落ち着きのない子供たちは、道化師のつまらない芸の邪魔をして大喜び。エスカレートしていく子供たちのいたずらが原因で、道化師は絶命してしまう。
6年後、忌まわしい事故以来となる、トミーの16歳の誕生パーティが開かれようとしていた。
地獄から蘇った道化師がパーティ会場に現れ、残虐かつクリエイティブな手法で少年たちに次々と復讐を果たしていく。
オシャレに面白く
今作は日本特有の面白くない映画タイトル付けられちゃったシリーズの一員です。
内容自体は凡百のスプラッタ―映画なのですが、 うんざりするようなタイトルでハードルを下げられた分、 その独創的なゴアシーンに目を奪われます。
一番の注目は2番目に殺害されるヤンキー女子のゴアシーンです、傘を上手く使ったアイデアは一見の価値あり。同時期に放映されていたTVアニメ『another』にも傘による不慮の事故という似たようなゴアシーンがありましたが、本作の方が独創性が高いと思います。
頭部破裂シーンなんかは恐らくスキャナーズのオマージュでしょう、R15相当なのでグロさは控えめになっていますが破裂までの過程はかなりコミカルだったりします。
モツで犬を作る、ピエロの鼻がソナーの役目を果たすなどオシャレ感とユーモアとオリジナリティあふれるシーンが続くのが唯一のおすすめポイントだと思います。
勧善懲悪しない
スプラッタ映画というジャンルは、スクールカースト下層に位置する陰キャの鬱憤を晴らすマッチポンプの役目を果たすものです。
そのため一般的には普段は暗いけども心は純粋でヒロインや人類のために体を張るキャラクターが最終的に生き残ることが多くなります。
しかし今作主人公は小さい頃悪ガキで、なんだったら間接的に道化師を事故死させているヤベー奴です。ただしその事件を契機にPTSDを患っているのでまだ同情する要素があるのですが、問題なのは主人公の悪友のヴィニ―です。道化師の事故の要因を作った張本人でありながら、なんの後遺症も負っておらず、女の事だけ考えて生きているキャラクターなんです!
普通死にますよね?
死なないんですよねこれが!
主人公の親友補正で”スプラッタ映画の禁忌”である性行為に及んでいるにもかかわらず死なないという非常に運の良い、そして珍しいキャラクターです。
興行収入
実は今作大爆死映画としても注目されます。
制作費は150万ドル(現在のレートで1億6400万円)かかっているのですが、興行収入はなんと9万ドル(同レートで1,000万円)!1億5400万円の赤字を出してしまったのです。
プロモーションが悪かったのか、アイルランドではスプラッタの受けが悪いのか、原因は定かではありませんがシッチェス・カタロニア国際映画祭の Best Death and Midnight X-Treme にノミネートされているのでシネフィルからの評価は高いのかもしれません。
総評
独創的なゴアシーンを見るだけの映画といったらなんですが、注目する点はそこのみな気がします。ヒロインもそんなに可愛くないしメンヘラっぽいし、演者もアクの強い人たちばかり並べていますしね。
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