1992年アメリカのミッドウェイ・ゲームズが開発した同名の対戦型格闘ゲームが実写映画化!
ゲームとか漫画の実写化って原作知らないとついていけないんじゃ…というそこのあなた!大丈夫!映画モータルコンバットは原作ミリしらでもめちゃくちゃに楽しめるゾ!
作品名(評価):モータルコンバット(B+)
制作(公開年):アメリカ(2021)
監督:サイモン・マッコイド
主演:ルイス・タン、浅野忠信、真田広之、他
あらすじ
胸にドラゴンのあざを刻まれた、自らの生い立ちを知らない総合格闘技選手のコール・ヤング。彼は選手として負けばかりで芽が出ない中、私生活では愛のある家族と共に暮らしていた。
ある日サブ・ゼロという魔界の最強の暗殺者に命を狙われる。コールは家族の安全が脅かされることを懸念し、仲間たちと共に地球の守護者であるライデンの寺院を訪れる。
そして太古より繰り広げられてきた格闘トーナメント『モータルコンバット』のことと、自身が魔界の敵達と戦うために選ばれた戦士であることを知ることになる。
Wikipediaより
モータルコンバットって?
いくら原作を知らないからといって基本知識をつけておくのに越したことはありません、そもそもモータルコンバットって何なの?
モータルコンバットとは?
ミッドウェイゲームズが1992年に開発・発売した実写取り込みのキャラクターが登場する2D対戦型格闘ゲーム。
アメリカ産ぽいアクの強いキャラクターには「フェイタリティ」と呼ばれる固有のトドメの一撃があり、四肢欠損などグロテスクな描写が話題となった。
端的に言うと必殺技がグロい格ゲーだ
黒龍会というヤクザの組織出身の加納や、白井流という流派の忍者だったスコーピオンなど日本人のプレイアブルキャラクターが多いのも特徴で、国内にもファンが多い。アメリカ人のヤクザ・忍者好きは異常
また本編にも登場するレプタリアンは格ゲー界において最初の隠しキャラだったりもするなど、歴史も深い。
そのおかげか世界観が拡張しすぎていて、最新作である『モータルコンバット11』ではランボーやロボコップ、ジョーカーまで参戦しているというから驚きだ
そして今作を見る上で必要最低限な知識は、モータルコンバットはグロい格ゲーであることのみで十分。あとは頭空っぽにして楽しめるアクションエンタメ作品だ
ゴア要素
実はモータルコンバット自体が実写化されるのはこれで三度目、第一作目と二作目は1995年と1997年に制作されており、人間界と魔界の戦士の戦いを描いている所は変わらないのだが、
レーティングはPG-13となっており原作のグロ要素は皆無。モータルコンバットのストーリーを借りたただのアクション映画となっていたようだ。
対して今作はどうだろうか?やはり前作に引き続きゴア要素は削られてしまっているのだろうか?
レーティングはR-15。う~んどうだ?厳しいか?
ん!?
大丈夫。ジェイムズ・ワンの映画だよ。
そう、今作には製作として『SAW』や『インシディアス』の監督ジェイムズ・ワンが入っている。頭部破壊・四肢欠損・鮮血のこぼれる傷口…彼の持ち味を活かした過激なゴア描写は、まさにゲームから飛び出してきたかのような出来だ!
チャンバラ
ジェイムズ・ワンといえばSAWシリーズのように、ゴア要素強めなサスペンスが得意なイメージがついているが、モータルコンバットはめちゃくちゃしっかりしたアクション映画である
その多くがクナイや刀を使ったアクションで、これは原作において日本人キャラクターが数人いることに起因している。なかでもチャンバラアクションの時間が多く、クオリティも高い。
そんな日本人繋がりで今作では真田広之と浅野忠信も出演している。特に真田広之はほぼ第二の主人公扱い!真田自身もともとアクションスターであったことも相まって冒頭の殺陣、サブ・ゼロとの闘いは非常に見ごたえがあるゾ!
ハリウッド映画において今時珍しく日本人が複数人出演して、尚且つ主役級の役柄を与えられているのは何だかちょっぴり嬉しい
ただ真田は後半マスクを着けて喋っているのでなんて言ってるかよくわからん時があったのが残念、監督も気になったのか大事なセリフを吐くときはマスクを外させていたのでちょっと笑っちゃった
あとこれはネタバレなのだが、浅野忠信はずっと目が光ってるゾ
単純明快
さて、内容にフォーカスしていくと終盤若干駆け足になってしまってはいるが、人類側の各キャラクターと魔界側の各キャラクターの因縁を描くのが上手い。
割とぽっと出のキャラクターが多い中、腕を潰されたり、馬鹿にされたり、仲間を殺されたり…と短い時間で人間側の戦士が戦う理由がハッキリ示されるので対立構造が分かりやすい。また敵を倒すのもゴア要素強めの派手な必殺技でぶっ飛ばすもんだからカタルシスが凄い。
悪いやつをメチャクチャにぶっ飛ばす、という単純明快さでストレス解消になる一本だ。
総評
原作再現の期待に応えたゴア要素とアクションは、製作にジェームズワンが入っているにしてもとても監督処女作とは思えない出来だ。
この時代に珍しく日本人俳優が準主役級の扱いで出演しているのも嬉しい。引きもよく、次回作にも期待が出来そうなのも非常に好印象、次回作があれば是非真田広之と浅野忠信は継続して出演してもらいたい!
勧善懲悪・単純明快に悪者をぶっ飛ばす後半のシーンは日ごろ溜まった鬱憤を晴らせる、疲れた時にオススメの作品なのかもしれない。
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