アス 監督は一体何を伝えたかったのか?ネタバレ徹底考察!

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前監督作「ゲットアウト」で低予算ながらも練られたストーリーでスマッシュヒットを記録したジョーダン・ピール監督。

世界待望のスリラー映画を徹底考察!

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あらすじ

アデレード・ウィルソンは幼いころ行ったサンタクルーズの遊園地で自分のドッペルゲンガーと対面し失語症となった。

それから20年以上が経ちトラウマを克服したアデレードは夫と子供二人を育てる母となり、夏の休暇を利用し再びサンタクルーズの別荘地を訪れることとなる。

家族団らんの時間を過ごすが、どうしてもトラウマがフラッシュバックしてしまうアデレード。

その夜、別荘の前に手をつないだ4人が現れウィルソン一家を急襲、明かりに照らされた襲撃者たちの顔は自分たちウィルソン一家と全く同じドッペルゲンガーであった。

アデレードのトラウマが今再び蘇った…

あるあるなシチュ

今作は湖畔に佇む別荘地という半クローズドサークルが序盤の主な舞台となる、こうしたシチュエーションはスリラーものではかなりポピュラーで、大抵善良な市民である主人公たちは理不尽に惨殺されていく。

アスの侵略者であるドッペルゲンガーたち(正確にはクローン)は全員真っ赤な作業服に剪定鋏で武装し主人公たちを襲ってくるのだが、

服装からいうと衝撃のラストで物議をかもした「ファニーゲーム」という作品の出てくるサイコパス二人組のおそろいの真っ白なポロシャツ短パンを想起させる。

ファニーゲームUSAのサイコパス二人組

さらに剪定鋏という武器であるが、かの有名ホラーゲームの原案となったといわれるイタリア産サイコスリラー「フェノミナ」に登場する殺人鬼の使用する武器も

ぶっちゃけ無関係かもしれないが過去の名作サイコスリラーへのリスペクトも感じさせる。

主要キャストは全員黒人

監督自身アフリカ系アメリカ人ということもあり、本作の主要登場人物はほぼ黒人俳優や女優で構成される、これは監督の意向ももちろんあるだろうが、ハリウッドで長年問題視されている「ホワイトウォッシュ」に対するカウンターであろう。

また、今作は随所に何かを感じ取れというようなメッセージ性の強いシーンがみられる、

奴隷、アパルトヘイトの被差別民として迫害されてきた歴史を持つ人種が主要キャストを務め演じることによって、さらにこのメッセージ性に深みがあるように感じた。

結局何が言いたかったのか?

終盤、主人公であるアデレードが実はクローン側の人間と分かる微妙などんでん返しはあるが、ただぼーっと見ていたのであればひとりの女性がトラウマを克服し襲い来るクローンどもを家族総出でばったばったと殺していくという非常に平凡な作品だ。

しかし、前述のようにメッセージ性の強いシーンがある。

襲撃者として登場するクローンの赤いつなぎ、これは過去流されてきた人類の血を表しているのではないだろうか?

現に赤色というのは汎アフリカ色の中の一色であり、赤は殉教のために流された血を意味しアフリカ諸国の国旗に多く採用されている。

また、今作では地上の人類と地下深くでウサギの生肉を食べながら迫害されて過ごすクローンとの対比が描かれる。

地上の人間がモグラたたきのゲームに興じれば、地下のクローンも虚空にむかってまるで機械のようにモグラたたきの動作をするのだ。

作中陰写しの動きを逆手にとってクローンを火に突っ込ませていたりもする。

これは侵略戦争を受け奴隷として機械的に労働を強いられてきた歴史、もしくは機械に仕事を奪われたブルーカラー労働者を連想させる。

さらに、クローンの最終目標は地上の人類からの解放であるが、団結を深めるため一種の宗教的な儀式を地上で行う。

お互い両手を繋ぎ、アメリカ大陸を横断するくらいのとんでもない人の鎖を作るのだ!

ここから連想されるのが、ヨーロッパ諸国により東西で勝手に国境を引かれ分断されてしまったアフリカ大陸である。

筆者どれだけアフリカから連想するんだよ!って感じだが思っちゃったからしょうがない。

US違い
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