新聞記者 余韻を残さない、「箇条書き」の様なラスト

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2019年日本アカデミー賞6部門受賞作!

報道の自由ランキング67位、現政権に対して正直に物言いができない国となってしまった日本。

そんな現状で本作の様な反体制のロックな映画が公開されたことがとてもうれしい。

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あらすじ

東都新聞記者・吉岡のもとに大学新設計画に関する極秘情報が匿名FAXで届いた。日本人の父と韓国人の母のもとアメリカで育ち、ある思いを秘めて日本の新聞社で働いている彼女は、真相を究明すべく調査をはじめる。 

一方。内閣情調査室官僚・杉原(松坂桃李)は葛藤していた。「国民に尽くす」という信念とは裏腹に、与えられた任務は現政権に不都合なニュースのコントロール。愛する妻の出産が迫ったある日彼は、久々に尊敬する昔の上司・神崎と再会するのだが、その数日後、神崎はビルの屋上から身を投げてしまう。 真実に迫ろうともがく若き新聞記者。「 」 の存在に気付き、選択を迫られるエリート官僚。二人の人生が交差するとき、衝撃の事実が明らかになる!

何故この国はこうなってしまったのか

本作はもちろんフィクションです、その前置きはもちろん必要ではありますが、暗にモキュメンタリーの要素を含んでいると思うのです。

何故かといえば政府御用記者のレイプ事件のもみ消し大学の許認可を巡る贈賄問題、この映画に出てくる諸問題はほとんど現実世界とリンクしているから。

そうした問題もあってか、今作のキャスティングは非常に難しかったといいます。

現政権に対して明確な否定をすると「干される」、こうした懸念があり主演女優に関して国内女優は誰も手を挙げることがありませんでした、そんな中若きキャリア官僚を熱演した松坂桃李や、主演女優でないにしろ助演女優としてカメラの前に立った本田翼には頭が上がらないですね。

劇中自らの身分を賭して告発したように、現実世界でも自らの演者人生を賭しての出演であるからです。

何だか最近何でも許されすぎていて感覚がマヒしているが、まずおかしい。

反体制の作品に出ると干されるってなんだよ!!

何故創作作品に出演することが憚られるような世論が形成されてしまっているのか、本当に意味が分からない

筆者はパンクロックが好きです、長いものに巻かれずしゃがれた声でマイクに向かうミュージシャン、商業ロックとは違い体制に迎合しなかったからこそ独自の進化を遂げ名曲がたくさん生まれました。

近年の日本ではそんな土壌が全くない。全っったくない

いつからこうなってしまったんだろう。

決して報われないラスト今作は現政権への痛烈な批判、皮肉をぶつけています。

世間一般から忘れられてしまった問題を再度浮き彫りにするという点で言えば、作者含め現政権に批判的な人間からするとかなり「よく言ってくれた!」と気持ちがよくなる映画のはずです。

しかし、気持ちいいままでは終わりませんでした。今作は「ミスト」「ミリオンダラーベイビー」に並ぶ胸糞映画の国内代表に選ばれるのではないのでしょうか?

それは正義が握りつぶされるから。

しかも前触れもなく、圧倒的な権力の前に屈する。創作物でぐらい一矢報いさせてくれよ…とも思いました、しかしただ創作物の中で決着がついて気持ちがよくなるのもただのマッチポンプです、ラストの脚本はきっと最初に決まっていたのでしょう。

世間一般の映画の終わり方は余韻を残す「体言止め」であるとするなら今作は「箇条書き」、あまりにリアルにバッサリと終わる様は痛快でさえありました。

皮肉を込めて私が最後に言いたいのは、こんな映画が作られる日本は嫌だ。

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