1917命をかけた伝令 ワンカットの迫力に酔いしれろ!

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1917命をかけた伝令 ロゴイラストS級作品
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緻密に計算されたカメラワークと演者の動きで全編がワンカット撮影に見える、という説明だけでは全容が分からない映画が『1917命をかけた伝令』だ。

作品名(評価):1917 命をかけた伝令(S)

制作(公開年):イギリス・アメリカ(2019)

監督:サム・メンデス

主演:ジョージ・マッケイ、ディーン=チャールズ・チャップマン他

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あらすじ

第1次大戦下。

まだ若いイギリス兵のスコフィールドとブレイクにミッションが下る。

それは、進軍中の部隊に作戦中止の伝令を届ける任務だった。

届けなければ1600人の兵士全員の死はほぼ確実。

任務を完遂すべくふたりは敵陣を突破し、前進する部隊を追う。

(https://www.google.co.jp/amp/s/amp.natalie.mu/eiga/film/182641映画ナタリーより)

三冠を獲得した魔法

2020年2月9日に発表された第92回アカデミー賞

記憶に残っているのは非英語圏の映画で初となる作品賞含む4冠を成し遂げた『パラサイト半地下の家族』だが、実はこの『1917命をかけた伝令』も撮影賞・視覚効果賞・録音賞の三冠を、この年単独で獲得している。

なぜ三冠を達成できたか、理由は”ワンカット(≒長回し)“という魔法を使っているからだ

ワンカット

映像作品は通常ストーリーを映像化する前に、物語を細分化しカット割りを考えてから撮影に臨む。登場人物が複数いる場合や舞台が複数ある作品が普通であるため、細切れに撮影をして後から一本の映像にくっつける作業を行って初めて映画が完成する。

細切れであればNGシーンなど、あとから不要になった部分は削ることができるし、新たなシーンを追加撮影して挿入することもできる。

しかしこの作品のウリは“ワンカット”、平気で10分以上カメラを動かし続けるのだ。

当然主演は動き続け、爆撃のシーンでは火薬が炸裂し、建物は燃え、戦場のシーンでは500人ものエキストラが演技をする。当然NGは許されない、一度NGが出てしまえばとんでもなく前から撮影を始めなくてはいけないし、予算もそれだけ増えてしまう!

この作品はカット割の利点を遥か彼方にブン投げた超攻撃的な作品なのだ

そこにあるリアル

撮り直しが容易いという利点をかなぐり捨てた結果、この作品は“ほぼ現実”と言ってもいいほどの臨場感とシームレスさを手に入れることになった

名作『フォレスト・ガンプ 一期一会』のような主人公の一生という長いスパンを追う作品も、主人公への感情移入はとてもしやすい。しかしこの作品と比べると没入感の質が全く違う。

フォレスト・ガンプではフォレストの印象深いエピソードのみにしか触れることができない。

しかし、この作品は塹壕の中の喧騒、死体の溢れる市街戦、敵陣に取り残された孤独感…ウィル伍長代理が見聞きしたこと全てを、我々も追体験することができるのだ。

こんな作品を筆者は他に知らない。

どこでカットしてるの!?

そんなワンカットという情報のみが若干独り歩きしている作品であるが、本当の意味でワンカットで撮影されたものではない

よ〜く見るとカットできる余地のあるシーンが散見されるのだ。

ではどこでシーンが分かれているのだろうか?よ〜く見て考察してみたゾ

1917 カットされているかも・・しれない部分
  • 8:15付近
    司令部に入るシーン

  • 23:09付近
    砲弾の池を抜けた後
  • 25:24付近
    ドイツ軍前線
  • 38:04付近
    桜が切られているシーン
  • 53:19付近
    壁に立ちしょんべんしてる兵士
  • 66:20付近
    塔での気絶

    ここは確実にカットが入っている

  • 79:47付近
    女性と赤ん坊との別れ
  • 83:13付近
    川への飛び込み
  • 86:10付近
    川で泳ぐシーン
  • 88:17付近
    泣いた後

上記は筆者がなんとなくカットが入ってそうだなぁと思ったシーンであるので、確証はない

みんなもどこでカットが入っているか探してみようゼ!

総評

戦争映画という一歩間違えれば大味になってしまいそうなアクションを、緻密な計算とカメラワークによって生み出されたワンカットという魔法を使い、未だかつてなかった臨場感と没入感を生み出したとんでもない作品である。

ワンカット映画でいえば『カメラを止めるな!』が記憶に新しいが、今作と比べるてしまうと“月とスッポン“、質という武器にブン殴られて欧米と日本の作品レベルの差をまざまざと見せつけられた気分になってしまう。

それぐらい不世出の傑作を目の当たりにしている気分になる作品であった。

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