舞台はほとんど家の地下!そんなスケールの小ささをぶっ飛ばすハラハラアクションの連続!
あらすじ
大学競泳選手のヘイリーは、疎遠になっていた父が、巨大ハリケーンに襲われた故郷フロリダで連絡が取れなくなっていることを知る。
父を捜しに実家へ向かったヘイリーは、地下室で重傷を負って気絶している父を発見!
しかしその瞬間、背後から何者かに襲われ、地下室の奥へと引きずり込まれてしまう。
浸水のタイムリミットが迫る中、大量発生したワニのテリトリーとなった思い出の我が家から、負傷した父とともに脱出を図るヘイリーだったが……。
ワニワニパニック
『ピラニア3D』では洋上で戯れるパリピ達を恐怖のどん底に叩き落としたアレクサンドル・アジャ監督。
そんな彼が次に描いたモンスターパニック映画の題材は「ワニ」
意外と盲点ではないだろうか?
サメやピラニア、恐竜やライオンなんかはイメージがしやすいが、ワニのパニック映画ってイマイチ少ない。あんなに顔怖いのに。
そんなワニがサイコキラーよろしくヌッと登場するのが今作一番の特徴だ。
嫌な習性
ワニといったら脅威となるのは地上最強とも言われる顎の力、そして鋭い牙。
しかしさらに嫌な習性がある、噛み付いた部位を引きちぎるために行うものだ
“デスロール”と言われるワニの横回転!
これもメチャクチャに再現されている、
主人公のヘンリーなんか噛まれた後に滅茶苦茶デスロールされてグルッグルにされちゃっているが、なんだかんだどこも千切れず踏ん張っている。
主人公勢の耐久力
前述の通りヘンリーはワニに色んな所噛まれてデスロールされているにもかかわらず、最後まで意外とピンピンしている。
そう、この映画は主人公勢の耐久力が異常なのだ!
中盤で出てくる火事場泥棒なんて出て五分でワニに齧られて全滅するのに…
主人公の父親なんて、登場時にワニにちょっと食べられてて開放骨折している
普通この時点で死ぬフラグがビンッビンなのにも関わらず、ここから更にワニに片腕食われたり洪水に流されたり散々なのにも関わらず最後までしぶとく生き抜く生命力の持ち主だ。
そりゃ主人公もワニより速く泳ぐわ。
リアルさ
怪我の治療シーンの生々しさも魅力の一つだ、
父親の解放骨折を応急処置する時の一連の流れだとか、主人公が噛まれた足の出血を止めるため足を縛るシーンの演技が非常に良い。結構ゴア要素も派手さはないが「痛つ〜〜」というシーンが多かったりする。
リョナラーは特に重点的に見た方がいい。
息をつかせぬ展開
ちょっと馬鹿にしてしまったが、今作目まぐるしい展開で見ていて非常に飽きない。
最初こそ家の地下という小ぢんまりの極致の様なロケーションであるにもかかわらず、川の水がどんどん流入してくるタイムリミットや、中腰でしか移動できない閉塞感を上手いこと活用しハラハラドキドキを増幅している。
ワニももちろん複数匹登場するし、時間が経つことによって段々と水中戦になることによってワニのアドバンテージが増えてくる。
人間が絶対的不利な状況から、親子愛と少ない武器で生き抜くところが非常に熱い作品だ。
「お前は誰だ!?頂点捕食者だろ!!」とかちょっと鳥肌立つ展開なのだ。
総評
忘れがちなワニの怖さと水害の怖さを再確認できるが、登場する人物の耐久力が尋常じゃないため、意外と人間て死なないんだな…とか変な勘違いをしてしまう危険性がある。
とにかく手回し式LEDライトが大活躍するので、観賞後は枕元に手回し式の何かを置きたくなること請け合いだ。
一難さってはまた一難の連続、極致的なロケーションを上手いこと活かすなど制作側の能力によって作品の質は変わっていくことがまざまざと分かる一本であると言える。
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