47分という短い時間にうまみがギュギュっと凝縮された煮凝りの様なアニメ映画ですよ!
通勤通学の間のような隙間時間でも楽しめちゃうコスパ最高の一本となってます。
あらすじ
スペインの自転車ロードレース、ブエルタ・ア・エスパーニャを舞台に、
主人公が解雇の危機や、かつての恋人と兄の結婚という複雑な思いを抱きながらも、
プロロードレーサーとして「仕事」に取り組むさまを描く。
宮崎駿の右腕
今作、原作は黒田硫黄の「茄子」というオムニバス短編集の一篇となっていて
絵柄はかなり特徴的なアクの強いものです。
しかし、これが一度アニメ映画になると
こうなります。
ジブリじゃねーか!!という感想をお持ちの方、安心してください半分正解です。
実は今作の監督、高坂希太郎はスタジオジブリ宮崎駿の右腕と呼ばれた人物で、
「ナウシカ」から「思い出のマーニー」までほとんどのジブリ作品で作画監督を務めていたんです!
そりゃあジブリと似るっていうか、もう本物ですもんの。
大のロードレース好き
高坂監督は大のロードレース好きとして業界でも有名で、自身もジブリ社内のロードレースでも連覇を続けていたというレースキチ。
今作のテーマもロードレースという事で、その知見が如何なく発揮されています。
レースのリアルな描写、駆け引きはもちろんの事、主人公のライバルたちの殆どに実在のモデルが居ます。
デフォルメの仕方はやはりジブリイズムを感じますが、後半のゴール直前になると急にマキバオーっぽくなります。
レース系のアニメや漫画に共通する表現かもしれませんがやっぱりアツいですよね!
NTR主人公
今作シンプルなストーリーながらも、通常のアニメ映画の半分ほどの時間に情報をギュギュっと詰め込んでいます。
掘り下げるべき人物のみ掘り下げ、脇役も説明を省きつつなんとなくキャラ立ちさせる、
ここも数々の魅了的な脇役を生み出してきたジブリイズムが継承されている気がします。
中でも一番掘り下げられている主人公の「ペペ」
兵役中に兄貴に彼女を取られ、傷心の内に地元を去り遠くへ行きたい一心でロードレーサーへと転身し、地元開催のレースへ挑む。
という連ドラなら1クールやれる情報量が詰め込まれた魅力的なキャラクターです、個人的には声優がまだ少しフレッシュさの残る大泉洋である点も高ポイント。
短い話にもかかわらず、郷愁や恋慕、そしてロードレースの臨場感と面白さが伝わってくる良作です。
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