殺意の高すぎるサイコなスナイパーに狙われたタダの学生たちを描いた、ソリッドシチュエーションスリラー!
ロケーションはアメリカのカリフォルニア、俳優陣もほぼ外国人ですが、
監督は『ルパン三世』『あずみ』などでお馴染みの北村龍平です。
あらすじ
山道を走る1台の自動車、突然タイヤがパンクする。
停車したクルマから降りてきたのは、相乗りする6人の大学生。
やむなく1人がタイヤ交換の作業に取り掛かるが、その男はパンクがアクシデントではなく、タイヤに銃撃を受けていたことに気付く。
その瞬間、銃撃を受けて路上に倒れるその男。さらに、それに気づいた他の5人に向けて、いきなり銃撃が始まる。次々と飛んでくる銃弾に対して、隠れられる場所はクルマの陰のみ。
一体何が起きたのか、訳も分からないまま、若者たちは追い詰められていく。
果たして彼らは、無事にこの窮地を脱することができるのか…
ソリッドシチュエーションスリラーとは?
ソリッドシチュエーションスリラーとは?
密室に監禁されるなど登場人物が限られた空間内で身動きが取れない状況に置かれている設定で、そこからいかにして脱出するかを描いたり、何故そのような監禁状態に陥ることになったかを探るといったジャンル。
和製英語。
引き延ばしがDB
ソリッドシチュエーションスリラーということで、路上の車と道とちょっと生えてる木以外に舞台装置がないため、非常に展開が限られている作品です。
そのため90分という映画として最低ラインの時間を確保するため、涙ぐましい引き延ばしが図られています。
登場人物が歩いているシーン、スナイパーに狙われている!つってハァハァみんな言う彼岸島タイム、どこから狙われているんだ?って画面がぐるぐる回る時間…
さながらアニメ版ドラゴンボールを彷彿とさせる引き延ばしが楽しめますよ!
殺意が高い
今作のシリアルキラーは顔こそ明かされませんが、灼熱の中ギリースーツを着て旧式のスナイパーライフルで昼夜関係なく正確にヘッドショットをキメてくる天才スナイパーです。
対する何の罪もない学生たちは武器もなく蹂躙されてしまう訳ですが、シリアルキラーの殺意が非常に高いのも特徴の一つ。
昼過ぎくらいから銃撃をはじめて夜になってからの展開もあるため、10時間ほどずーっと木の上で監視しているのです!
恐らく排泄も垂れ流しでしょう。
日本人特有の?
監督の北村さん
そうしたシリアルキラーの殺意、そして今作一番の見どころであるラストシーンの唐突な後味の悪さ。
この2点を実現できたのは日本人特有のジメジメ感がなせる業だったのではないでしょうか?
特に終盤で登場し5分で全員退場する警察の無能さは、バイオハザードシリーズのすぐ墜落するヘリコプター味がしましたし、ラストシーンに関してはクレヨンしんちゃんの『アッパレ戦国大合戦』のラストを思い出すもので、
なんとなく「あぁ日本人監督が撮っているんだなぁ」ということを感じることが出来ます。
総評
展開の幅が少なく引き延ばしに苦慮している点や、誰も救われないラストなど「この作品が一番好き!」という人間は恐らく現れないだろうなぁという今作。
ゴア要素に少し力を入れている点を除いて特に驚くところのないものとなっています。
しかし、スポーツの世界でも同じことが言えますが、国内でそれなりの地位を築いた映画監督が海外挑戦するのは非常に夢があります。
しかし映画業界では是枝監督がカンヌのパルムドールを獲って以降、パッとした業績を残せていません。
今作の様なニッチなジャンルで世界を席巻するのは難しいことかもしれませんが、今後も様々なジャンルの監督が日本の映画界はまだ死んでいないぞ!という事を世界に示してほしいと思ってやみません。
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