イタズラ電話で承認欲求を満たしていた青年たちが地獄を見る、さるかに合戦系作品!
作品名(評価):ドントハングアップ(C)
制作(公開年):イギリス(2016)
監督:ダミアン・マセ、アレクシ・ワジブロア
主演:グレッグ・サルキン、ジャック・ブレット・アンダーソン他
あらすじ
悪質なイタズラ電話を繰り返すブレイディやサムたちの元に、ある日、イタズラ電話を掛けた相手から折返しの電話が掛かってくる。
その相手の男は、何故か2人の住所を知っており、ブレイディの両親を監禁していることを告げる..
感情移入できない系主人公

恐らくソリッドシチュエーションスリラーに分類される今作、
通常ソリッドシチュエーションスリラー系の主人公は二つの型に分類される。
今作の主人公は2人いて、後者に当たるクソガキYouTuber、やっていることが度が過ぎたイタ電なだけに感情移入ができない。
そんなしょうもない性格の主人公達なのだが、中盤一丁前に友情を確かめあったりする。しかし感情移入できないのでなんの感慨もない。ただただ所謂イケてる側の人間である主人公達が切羽詰まっていく状況を楽しむしかない。
この作品はYouTuberという存在や、イキったいじめっ子、リア充が嫌いな人種には非常にスカッとする内容となっているのだ。監督も恐らくそういった人種が嫌いなのか、主人公勢に対する殺意が非常に高い。
登場人物紹介の要らなさ
本編が始まると、まず主人公が所属する“イタズラモンキー69”というクソダサい名前のイタ電YouTuberグループのメンバー紹介が始まる
しかしこの内2人はほぼ登場せずに終わる。
一体なんのためのメンバー紹介なのか?
この映画、上映時間がエンドロール含めて1時間21分しかないので時間稼ぎのための人物紹介だったのではないかという邪推をしてしまう。
タイトル詐欺

さてそんなしょうもない感じの主人公たちは、ホラー映画の鉄則に従ってとにかく悪手を繰り返すことになる。
映画のタイトルにもなっているように、犯人は繰り返し「Don’t hang up=電話を切るな」と主人公達に迫るわけであるが、主人公達は何回も電話を切る、それでかなり苦境に立たされるのにも関わらず電話を切りまくるのだ。
ハングアップしてんじゃねーか!
タイトルからフォーンブースみたいに、電話をかけながら物語が進行していくのかと想像していたのだが、全くの別物であった。
シリアルキラーについて
今作に登場するシリアルキラーは『ハロウィン』に登場するブギーマンのようなマスクを被ったタイプ。このタイプは一見するとめちゃくちゃ頭が悪そうだが、今作のシリアルキラーはジグソウのように用意周到。
2人を殺害するのが最終目的、そのためだけに行動するので、前日から動画を撮影したり時間トリックを使ったりとバラエティも豊富。終盤には謎の技術で主人公宅のTVをハッキングするなど、若干現実離れした技術まで見せているが、実際はただの人らしい。
最近よくある「復讐は何も生まない」派と真っ向から対立する存在であった。
総評
日頃鬱憤の溜まっている人からは一定の評価が集まっている今作、内容としては感情移入のできない主人公達が右往左往しているのをシリアルキラー目線で楽しむ作品なのだろう。
終盤どんでん返しに近い展開があるも、コレ系を見るのが好きな方なら読めてしまうのでカタルシスが薄く感じた。
主人公であるサム・フラーを演じるグレッグ・サルキンのWikipediaを見ても今作に出演したという記載がないので、彼のファンからしてみても黒歴史なのかもしれない。
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