巨匠マーティン・スコセッシ監督、主演ディカプリオという盤石の布陣で作られたミステリー映画です。
次々積み重ねられる伏線に頭がついていかなくなりそうでした。
あらすじ
1954年、連邦保安官テディ・ダニエルズとチャック・オールら捜査部隊は、シャッターアイランドと呼ばれる島にあるアッシュクリフ精神病院を訪れる。
この島でレイチェル・ソランドという1人の女性が、”The law of 4. who is 67?”(4の法則 67番目は誰?)という謎のメッセージを残して行方不明となった。
強制収容されている精神異常犯罪者たちの取り調べを進める中、その病院で行われていたマインドコントロールの事実が明らかとなる。
オススメポイントと注意
作中そこかしこに張り巡らされた伏線を楽しむ映画、サスペンス要素が強め。
精神病棟が主な舞台となるため、1人滅茶苦茶見た目が怖い患者がいるのでホラーが苦手な人は若干注意が必要かも。
考察とサスペンスが好きな人にはオススメですよ!
伏線
映画視聴後に見返すとニヤニヤできる伏線の数々です!
筆者が気づいた伏線は上記37個になります、勘がいい人はもっと気づくことがあったのではないでしょうか?
ココも伏線でしょ!というシーンがあれば気軽にコメントいただければと思います!
考察
妻・ドロレス
いうまでもなくレディスのトラウマの根源という描かれ方をしていたドロレス。
彼女については霊的な存在として実際に出現していたのか、レディスの潜在意識が生み出した幻であったのかという2つの解釈ができると思います。
私は前者の解釈を推します。
何故なら ドロレスが現れると病状はどんどん悪化していったからです。
シャッターアイランドに収監されるまでレディスは、実際に連邦保安官で正義感に溢れる男だった描写があります。
ドロレスを殺害したことをもちろん後悔していましたし、なにより子供たちを救えなかったことを悔いる描写が多々ありました、そんな正義感溢れる男を常に悪い方向へ狂わせていたのは亡霊と化したドロレスだったのです。
ドロレスは早くレディスを自分と同じ世界へ連れて行きたかったのではないでしょうか?
洞穴で見つけたレイチェル
中盤テディが”こうであるべき”姿が具現化した存在であったのが、洞穴で見つけたレイチェルでした。
「シャッターアイランドの医者や警備隊全てが敵」「自分は狙われている」という、被害者意識と防御意識が作り出した都合の良い妄想の産物は、テディに耳触りの良い都合の良い情報しか与えず、結果テディの妄想を強固にするという結果になりました。
しかし、その洞穴に入る際、テディは大量のネズミの幻覚を見ています。
ネズミなどの害獣や害虫というのは深層心理で言えば、何か悪いものが心に引っかかっている状態を指すことが多いです。この幻覚は彼なりに、都合の良い考え方に対しての後ろめたさの象徴であったのではないでしょうか?
スカーフェイス・レディス
テディの意識下でのレディスは”顔に大きな傷・オッドアイ・マンションの修理人で放火魔”という禍々しい姿で描かれます。
特徴的なキャラクターであったスカーフェイス・レディスですが、ここにも主人公レディスを読み解くヒントがあると思います。
顔の”傷”、これはナーリング医師が語った「トラウマの語源はギリシャ語の傷」に掛かってきます。自分自身をトラウマの対象とし、憎みやすいよう”常軌を逸した”という意味の含まれた”オッド”アイを持つ禍々しい顔。
”放火魔”と”修理人”という相反する特徴を持っていたのは、やはり「自分が元凶だ」という意識をもちつつ、レディスという本来の人格を取り戻す、または精神病を”治す”ためのキーであることが十分に分かっていたからなのではないでしょうか。
モンスターとして生きるか、善人のまま死ぬか
ラストシーンである物寂しげな灯台の映像と合わさり切ない̪余韻を残す、作中随一の決めセリフ。
前述したとおりの考察は、レディスという男が本当は正義感に溢れた男であったことを前提としたものです。もともと凶暴性を秘めた男であったならば、きっともっと違う解釈が可能になると思います。
決めセリフや印象的なシーンを撮影できる点もそうですが、様々な解釈ができる余地をあえて残している点が巨匠を巨匠足らしめているのではないかと強く感じる作品でした。
賛否両論ある作品ですが、見て損はない映画であると思います。
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コメント
タバコの煙が逆流は滝登りという技ですね
コメントありがとうございます
タバコは煙の出し方・吸い方など色んなことができますよね!
私も滝登りやったことあります
一番最初の「火事で「4人」死んだ」というのと、銃を預けるシーンでチャック(シーアン)が保安官なら慣れてるはずの銃を外す動作に手こずってるのも伏線っぽいなと思いました!