伝説のカルトホラー『アタック・ザ・キラー・トマト』にオマージュをささげたZ級映画です!
あらすじ
ドジで純粋なジョニーと美人で優しいミシェルはロサンゼルスにある冴えないドーナツ屋「ダンディ・ドーナツ」での店員仲間。
ある日、ジョニーの叔父さんで自称サイエンティストのルーサーが化学実験の結果、人間を襲う凶暴な遺伝子生命体を作ってしまう。
そのエキスを誤ってドーナツ店でばら撒いてしまい、それがドーナツを揚げる油の中に大量に入ってしまった!次から次へと殺人遺伝子入りの油で揚げられたドーナツが量産される。
そして自宅で、お店でドーナツを食べようとする客次々に襲い掛かるキラー・ドーナツたち。しかも奴らは統制され群れで襲い掛かってくる!
異変に気付いたジョニー、ミシェルはオタクのハワードを加えた3人組で、キラー・ドーナツたちを迎え撃つ。果たして彼らだけでこの地球壊滅的危機から人類を救えるのか?
愛されるドーナツ
原型はオランダ発祥ともいわれるドーナツ、19世紀中ごろに現在のリングドーナツの形に落ち着き、日本でも愛されるお菓子となっています。
アメリカではまさに国民食となっていて、朝食がドーナツの場合もあるんだとか。また、アメリカドラマや映画でよく見る光景なのですが、警察官がドーナツを食べているイメージがありますよね?
あれ実はきちんとした理由があります、 アメリカの大手ドーナツチェーンであるダンキンドーナツが「制服とパトカーで来店した場合ドーナツを値引き、または無料」というサービスを始めた為なんです。警官が店の中にいることによって、強盗避けを兼ねているんですね。
今作はそんなアメリカ人の生活に密接に関わったドーナツが小暴れするんです。
ミニオンみてぇなドーナツ
今作のドーナツですが、なんとなくミニオンを彷彿とさせる憎めないフォルムと動きと鳴き声を持っています。
なぜかキラー・ドーナツたちにはある程度の知能が備わっており、統率を取るリーダー格っぽいやつもいて、鋭い牙が生えてはいますが全体的にコミカルな描かれ方をしています。今作の公開が2016年、ミニオンが爆発的ヒットを飛ばしたのは2015年なので、多少の影響は受けているのではないでしょうか?
- 食べると猛烈に腹を下し最終的に尻から臓物が全て出てしまう
- 鋭い牙で喰らいついたら離さない
- 浮遊することが出来る
- 溶解液を飛ばしてくる
コミカルに描かれながらも特性を挙げてみるとかなり凶悪なのが、このキラー・ドーナツの特徴です。特に溶解液に関してはなんでドーナツ自体溶けないの?という疑問が浮かんできますが、そういうものだということにして深く考えるのはやめましょう。
時間の無駄だからです。
要らない
この映画を語るにあたってまず気になるのが、「それ要る?」という要素が非常に多いという点です。
主人公・ヒロインだけで十分にも関わらずなぜか出てくるオタク、しかもなぜか主人公のお母さんとデキてて最後に睾丸が片方だけ溶ける。
ホームレスっぽいドーナツ店の常連客、特に設定等なさそうなのに意外と武闘派で最後まで生き残る。
ライバル店の葉っぱキメてそうなビーガン…
などなど本編において全く関係ない要素が多すぎて目が散ります、でも良いんです、そういうもんだと思って楽しめば。
パニック映画のツボを押さえているのは、”ヒロインが可愛い”という点のみ。その点のみですが、ホラーやスプラッタやパニック映画でヒロインが可愛いというのはかなりポイント高いです。
でもZ級という評価は変わりません。
総評
映像やCG、脚本のチープさから、なんとなく生まれて初めて見た”洋ピン”を思い出す出来でした。
筆者はオマージュ元である『アタック・ザ・キラー・トマト』は未視聴なので判別不可能なのですが、なにか両作でリンクしている所がないか見比べるのも面白いかもしれませんね。
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