日本初、という割には登場人物の死にっぷりが小気味良い名作スプラッタです。
しかも島田紳助もちょい役で出演したりしていますよ!
あらすじ
女性レポーターのもとに送られてきた謎の惨殺ビデオテープ。
眼球を切り裂かれるその映像はよく見ると自分の顔であった。
1本のビデオテープの謎を探るため、女性レポーターとその仲間たちは取材班を組み撮影場所と思われる郊外の建物へと入っていく―
日本初
初。
全てのものには始まりがあります、しかしその始まりは革新的であると共に、後世から見ると稚拙さもかいま見えてしまうものです。
しかし、国内外の一部ファンからカルト的人気を誇る今作はそんな常識を吹き飛ばしてしまうほどのオリジナリティを感じます。
公開当時
公開当時の1980年代後期は「名古屋アベック殺人事件」「名古屋妊婦切り裂き事件」「女子高生コンクリート詰め殺人事件」の様な凶悪で残忍な事件が立て続けに起こっていた時代。
当然ながらスプラッタ映画の様な公序良俗を乱す様なジャンルは忌避されるべきものであったと思います。
にも関わらず、眼球串刺し・生首・嬰児の悪霊・レイプといった凶悪事件をあえて想起させる様な描写が凝縮されており、かなり挑発的な作品になっている事が最大の特徴です。
死にっぷり
無名な俳優陣にも関わらず、死にっぷりが非常に気持ちいいのも死霊の罠の魅力の一つ。
ある者はなぜか地面から生えてきた鉄杭で串刺しに、ある者は必殺仕事人・三味線屋の勇次よろしく首を括られて殺害されたりするのですが、どれもオリジナリティが凄い!
中でも扉を開けると拳銃の引き金が連動して引かれてしまう仕掛け、SAWシリーズが初出なのだと思っていたのですが、今作で既に使われていたトリックなのは驚きでした。(しかも今作は隙を生じぬ二段構え)
お約束
いい感じの雰囲気になった男女が情事の最中に惨殺されるーというのはスプラッタホラーのお約束ですが、死霊の罠は一味違います。
男女がきっちり事を済ましてからサックリ殺されます。
タダ濡れ場撮りたかっただけなのでは…?と錯覚してしまいがちですが、こうしたお約束外しをやってのけてしまうのも革新的な作品であるからと言えるでしょう。
安心させてからのラストシーンへの畳み掛けはスプラッタの基礎通りなのも憎い所です。
総評
日本初本格的スプラッタホラー、という肩書に負けない意欲的な作品。
洋画から様々な要素を取り入れつつ、池田監督の独特のセンスでオリジナリティあふれる死に方を楽しむ事ができます。
洋画の大作スプラッタをみた後でも遜色は全くないですし、むしろ現在よりも過激な表現方法が許されていた昭和後期の雰囲気を感じる事ができる歴史的価値のある映画といえるでしょう。
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