結論から言うと大(おお)ステマでした。
各種メディアで絶賛の嵐、テレビで特集まで組まれ興行収入ランキングもアナ雪2に次ぐ2位に食い込むという大健闘ぶりを見せている映画「すみっコぐらし」。
そんなん映画好きを自称する私が見に行かないわけないじゃないですか!
あらすじ
「喫茶すみっコ」にやってきたすみっコたちが、地下室で発見したとびだす絵本を見ていると、仕掛けが動き始めて絵本の中に吸い込まれてしまう。
絵本の世界ですみっコたちは、自分が誰かわからないひよこ? と出会い、ひよこ? の家を捜すことにする。
シュールな世界観
今作の主人公たちであるすみっコぐらし達は、 たれぱんだ、アフロ犬、リラックマなどのキャラクターで知られるサンエックスが手掛けたもの。
さらにすみっコぐらし達には一切喋らせず、ナレーションで進行していくのも特徴の一つで、ナレーターはイノッチが務めているという気合の入れようです。
にもかかわらず、非っ常にシュールな世界観をしています。
すみっコぐらしの中には恥ずかしくて隅に行っちゃうネコ、冷え性で隅にしか居れないシロクマといった普通の可愛い動物もいる中
食べられることがなかったとんかつの隅っこ、エビフライのしっぽ、吸い込めず残ったタピオカ等、少し物悲しいすみっコも居ます。
その中でひと際異彩を放っているのがこの「ざっそう」です。
もう考えるのも面倒になったのか、何の草なのかの明言もせず一括りの「ざっそう」、劇場で見ていて初見で笑ってしまったのが正直悔しい。
大人が見てどうか
今作の快進撃が報じられる中、よく耳にしたのが「大人が見ても泣ける」という宣伝文句でありました。
確かにちょっとだけ泣きはしました。
けれども全く期待した水準の作品ではありませんでした、私がもっと想像していたのは社会に馴染めず教室の隅にいるような陰キャのメタファーとしての「すみっこ」だったんです。
そうして皆の輪の中心にはなれないけれど、必死で「すみっこ」に喰らいついて最後に報われるような、そんなストーリーを想像してしまっていたんです。
だってすみっコぐらしなんて知らねぇもん。
唯一ハッとさせられたのは、すみっコ達が絵本の中に閉じ込められてしまい、「桃太郎」や「マッチ売りの少女」などの有名な童話の主人公と同じ行動を無理やりとらされていたシーンです。
人間というのは各々が個性を持った人生の「主人公」だと教育され大人になっても、結局のところ社会や偉い人が決定した”こうあるべき”という指針に従うしかない、偽りの「主人公」なんだ。
そんな監督の意志が透けて見えました。
ズラズラ書きましたが多分そんなことはないです。
結局は児童向け
映画冒頭から伏線があったり、確かに泣けるシーンはあります。
けど周りが囃し立てすぎた感は否めません、所詮児童向け映画は児童向け映画です、期待やハードルを高く設定してはいけません。
「もう一波来たら泣けるかなぁ」と終盤思ってワクワクしたのですが、ヌルっと作品は終了。
正直肩透かしを喰らった気分になり、そこで初めて自分を客観視すること出来ました。
劇場の一番後ろに座っていたのは「児童向け映画をわざわざ車で一人で鑑賞しに来た28歳男性」なのです、その現実が一番泣ける、そんな作品でした。
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