スーサイド・ショップ 映画の”暗さ”と”自殺率”について

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フランス映画は「暗い」そんな常識を覆すミュージカルアニメーション

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あらすじ

絶望に覆われ灰色に染まったフランスのとある大都市

生きる意欲も希望も見出せない人々は、次から次へ自殺をはかっていた。

そこで唯一繁盛しているのが10代続く老舗の自殺用品専門店

店は代々陰鬱な雰囲気のトゥヴァシュ一族が切り盛りしていたが、

3人兄弟の末っ子として生まれてきたアランは常に希望に溢れ、

自殺用品専門店という家業に疑問を持ち出すのだった…

陰鬱なフランス映画と自殺率

フランス映画といえば「暗い」というイメージが付き物、

なぜかすっきりと終わらずにもやもやした気分になってしまうものが多いと聞く。

私は各国の「映画の雰囲気」と「自殺率」は関係があるのではないかと思う。

実は自殺大国フランス

自殺大国といわれると真っ先に出てくるのは自国、日本である。

今作でも小ネタとして店主であるミシマは恐らく三島由紀夫からきていたりもする。

自殺に切腹を勧める小ネタも
割腹自殺の衝撃は世界的であったようだ

Wikipediaによれば、日本の10万人当たり自殺率18.5%世界14位という不名誉なランキングとなってしまっているが、

実はフランスも自殺大国といって差し支えない、

自殺率は17.7%世界17位という日本のライバル的ポジションだ。

芸術の都パリを擁するフランス、

ゴッホを始めとするように感受性が豊かな芸術家は精神を病んだりして自殺してしまう者も少なくない。

そうした傾向がフランス国民にもあるのかもしれない。

映画の暗さと自殺率

またフランス・日本以上に自殺率が高いのがお隣の国「韓国」である。

なんと自殺率は26.9%世界4位の実力者だ。

この三国を並べたところでお気づきであろうか?

日本もフランスも韓国も「映画が暗い」のである。

各国ともドンパチしているイメージは無く、どっちかというとボソボソ…という台詞とモノクロやセピア、淡い色で画面構成をしている。

もちろん超学歴社会、アジアで上位の失業率など様々な要因があるのだろうが、

なんとなく因果関係を感じずにはいられないのだ。

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隠しきれない暗さ

御託は良いとして、本作「スーサイド・ショップ」異常に前向きな映画だが、ところどころフランス映画の闇を感じる。

皆死にたがっている中、主人公アランの作戦によって自分の周りから世界全体を変えていく。

この作戦自体はすごい安直だったりするのだが、

作中の「運命は魅力的で予期できない”回り道”」という深いセリフがあったりして結構ウルっと来たりする。

ここまでは良い

問題は終盤のシーンだ、自殺用品を売ることを辞めたミシマであったが

アランの機転によって自殺に失敗した客が再び来店して自殺用品を求める

何と「バレたらヤバイ」とか言いながら普通に「青酸カリ入りクレープ」を売るのだ

いやここまできて売るんかい!!!

しかしまだ望みはある!

その「青酸カリ入りクレープ」はフェイクで「普通に美味いクレープ」、

その美味しさに人生の喜びを見出すみたいな展開がきっとある筈―

そんなものはない

普通に食ってその客は死ぬのだ

さらにはその客が退店してから「お客様カードを作って常連客増やそうぜ!」という始末

極め付きは家族全員で「生きてることは素晴らしい」と歌いながらのダンス

しかもバックでは先ほど青酸カリで死んだ客も踊っている

あんたらサイコパスだよ…

結局何が言いたかったのか

キリスト教の価値観からいっても「自殺」というのは禁忌ではある、

しかし宗教的価値観ではなく、自殺してこの世にいなくなったものに対してのブラックジョークや扱いからして

単純に自分で死を選択するのは「もったいない」という事を伝えたかったのではないか。

それにしちゃあ表現が突飛ではあると思うが、おおむね賛成である。

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