何でこんな作品に高橋一生が…?
今をときめく売れ線俳優の下積み時代を垣間見れる作品です。
あらすじ
カノジョも友だちもいない、孤独な青年・ヨウジ(高橋一生)。
小さな町工場で働く彼には、密かな愉しみがあった。川向の工場に勤める、どこか影を持った女性・サチコに、ほのかな恋心を抱いていた。
ある晩、自分の上司に絡まれている彼女を発見し、助けようと勇気をふり絞る。
これを機に2人は惹かれ合っていくが、サチコが実父に虐待を受けていた事実をヨウジに打ち明けた瞬間、何かが彼女に襲いかかった。
それはヨウジがゴミ捨て場で発見し、こっそり自宅に持ち帰っていた謎の生命体だった。
その生命体は目の前でサチコをレイプし、彼女をモンスターに変貌させてしまった。
あまりに衝撃的な出来事に気を失ったヨウジ。
意識を取り戻すと、そこには謎の男とその娘がいた。
怪物”ネクロボーグ”はなぜ存在するのか?謎の父娘の目的は?サチコへ想いを伝えることが出来ないまま、ヨウジは壮絶な戦いに巻き込まれていくー。
国内では珍ジャンルSFスプラッタ
国外を見てみればエイリアンや遊星からの物体Xなど、名作がゴロゴロしているSFスプラッタ。
しかし国内ではその世界観を作るのにも多額の費用がかかり、金銭の工面が困難で手が出しづらいジャンルでした。
そんな国内では珍しいジャンルに果敢に挑戦したのがこのMEATBALL MACHINEなんです!
チープさに勝る熱意
今作はスプラッタ映画にありがちなチープさがあります。
SFスプラッタという割にほとんどの展開が日本だけで完結するのも、何故か涙が出そうです…
まず物語の核となるネクロボーグという寄生型機械生命体のフォルム、よく見るとちゃちいです。
しかしそのちゃちさを溢れ出るスチームパンク感で上手いことごまかしています、正直カッコいいです。
スプラッタ要素はかなり頑張っていて、臓物関係はかなりリアル!
ネクロボーグに脳を乗っ取られる過程の眼玉ドリルのシーンなんかは、リョナ要素含めかなりグッときますよ!
ネクロボーグを操る生命体もかなり拘って作られていますし、伊達にR18指定されていません。
VFXや特殊メイクの努力と熱意が感じられます。
ストーリーの熱さ
予算の関係からすごく狭い世界での話にはなってしまっているのですが、
それを補って余りある熱量をストーリーからも感じます。
今作は異形となった片思いの相手を苦痛から救うために殺さねばならないという、重い展開が続きます
さらに主人公自身も半分ネクロボーグに取り込まれ自我を失いかけてしまいます。
この半分ネクロボーグというところがミソで、最終決戦の最中片思いの相手の微かに残った自我を呼び起こそうとする際、
あえて相手の攻撃を人間の部分が残った手で受け止めるんです、まるでお互いが人間であるという事を誇示する様に!
決着はネクロボーグの能力をフルに利用して着ける事になるんですが、このシーンが作中一番印象に残り、アツいシーンであることは間違いないです。
総評
チープさを補って余りある製作陣や演者の熱量がキラリと光る今作。
どうせB級だろとタカを括っていると意外とのめり込んでしまうこと請け合いです!
高橋一生は今の爽やかおじさんな配役よりも、今作みたいな暗い男の役が似合いますよね!
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