「ミスト」「ミリオンダラーベイビー」胸糞映画のリストに加えなくてはいけない映画が新たに公開されました、それが今作「サマー・オブ・84」です。
あらすじ
1984年の夏、オレゴン州のとある田舎町では子どもばかりが狙われる連続殺人事件が発生していた。
田舎町で暮らす好奇心旺盛な15歳のオタク少年デイヴィーは、その犯人が向かいの家に住む警官マッキーではないかとにらみ
親友のイーツ、ウッディ、ファラデイと共に独自に捜査を開始する。
しかしやがて、彼らは想像をはるかに超える恐ろしい現実に直面する。ーWikipediaより
ジュブナイル物として
本作は少年四人がある事件を解決するべく奮闘し大人になっていくという、
名作「スタンド・バイミー」「グーニーズ」や最近で言うと「IT」のようないわゆるジュブナイル物の体裁をとっています。
エロ本持って秘密基地に集まったり、意中の女の子と仲良くなったり、仲間割れを起こしつつ最終にはより団結して犯人を追いつめる様は童心に帰ったような懐かしい気分になりますよね。
しかし今作は事件解決!カップル成立!大団円!そんなジュブナイル物のセオリーをぶっ壊す問題作、清々しい気分で劇場を出してはくれない!
そう、「連続殺人鬼も誰かの隣人」なのです。
胸糞映画に新たな一ページ
本記事題字にもある通り、とにかく最悪な視聴後感を与えるのが今作の特徴です!
本当にすさまじいのは最後に挙げた一生付け狙う宣言、
犯人は疑わしかった警官マッキーであることが判明し主人公はただの悪ガキから一転街の英雄となりますが、ここからの逆カタルシスが凄まじい!
どこ探しても見つからなかったマッキーは主人公宅の屋根裏に潜んでおり、両親の目を掻い潜って主人公とたまたま一緒に寝ていた気のいいデブ(ウッディ)を誘拐!
そのまま厳重な捜査の網をも掻い潜ってどこか良くわからない離れ小島まで連れてこられ、
主人公がマッキーを怪しいと思ったきっかけとなる「深夜の鬼ごっこ」を命がけでやるハメに!
デブはさっくりと殺され、主人公もあっけなく捕まってしまいます、
しかし主人公を生かすというマッキー
「ただでは殺さない、いつかお前を確実に殺すが今ではない、一生の間常に俺の影におびえながら過ごせ」
これをほぼキスしてる顔の距離で言ってのけられたのです。
ハッキリ言って最高ですよね
スプラッタ―映画では怪物が実は生きていてエンディング直前に主人公勢に襲い掛かったりするパターンや、
ちらりと怪物の子孫がいることを示すような観客にしか明示されない恐怖を与える終わり方が多かったりします。
しかし今作は観客のみならず、主人公にも圧倒的な恐怖感を植え付けたうえで「あえて生かす」という、ともすれば一番残酷な選択肢を強要したうえで日常へと返したのです!
筆者のスプラッタ映画の視聴数は誇れるほどないのですが、こんなに直接的なパターンは余りないと思います、故に最高だと思ったのでした。
スプラッタホラー映画において主人公は不憫であれば不憫であるほどいい映画。
というのは筆者の持論ですが、「不憫=死」というのが最早セオリーとなっていた所に、あえて生かし苦しませるというラストをぶつけてきたのは衝撃でした。
しかも親友達とは疎遠になり街の中で孤立無援状態になるというオマケつき、単純な後味の悪さにプラスして主人公の今後を考えてもより後味の悪さがつのる仕様となっています。
後味の悪さにニヤニヤしてしまうこと請け合い、筆者も話の筋を忘れたころにもう一度見ようと思います。
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