死者を蘇らせようと奮闘し、結果不幸になるという物語は神話の代から巷に溢れてきました。
今作もこの体系に類するお話、全体に漂う不気味さはさすがS.キング原作!
あらすじ
アメリカの片田舎に新居を構えたクリード一家。
大黒柱は医者のルイス、妻と幼い娘アイリーン、息子のゲージとチャーチという猫一匹と幸せな生活を築くはずであった。
ある日ルイスの不注意でチャーチを轢死させてしまう、
この事実を直接アイリーンに話すことに罪悪感を感じたルイスは、
チャーチを発見した隣人のジャドという老人に詳しい事情も聞かされずとある場所に連れていかれる。
ペットセメタリ―(ペットの墓場)の奥地の藪を抜け、山を越え--、たどり着いたのはミクマク族というインディアンの墓地。聞けばここに遺体を埋めろという。
翌日チャーチは腐臭をまき散らせながら帰ってきた、ただし凶暴になって。
その後今度は最愛の息子ゲージがトラックに轢かれて死んでしまう、
悲しみに耐えきれなくなったルイスはジャドの制止も聞く耳持たずゲージの遺体をミクマク族の墓に埋めてしまった、闇夜に近づく無邪気な笑い声―恐怖の一夜が始まる。
男の心は岩のように固い
ホラー文学の巨匠S.キングが「マジで怖いから世に出せねぇかも」と宣った今作、正直ストーリー展開はまぁそうなるだろうねぇという王道展開。
しかしそのパターンが面白いから王道なのである。
主人公であるルイスは先の事を考えずに悪手ばかり選択するし、大失敗しても反省しない。
ホラー映画の主人公はかくあるべき、そんなステレオタイプの人間ではあるが、真人間で家族愛に溢れた行動を選んだ結果惨劇に巻き込まれてゆくのが後味が悪くて非常に良い。
チャラ男が惨たらしく最期を迎えるスプラッタ映画にはない武骨さを感じる。(まぁそっちも好きなんだけど)
また、絶対こいつ悪人だろ!というキャラがことごとくお助けキャラなのも面白い。
普通の作品で轢死して脳みそ丸出しの幽霊が良いやつなことがあっただろうか?いやない。
パッと見絶対悪霊なのに主人公や登場人物を陰ながらサポートしてくれるのだ、結局正体は分からないので怖いには怖いんだけどね。
しかし若干引っかかるのが息子のゲージが復活して凶暴化した時の姿である。
こんな感じのかんわいい赤ん坊が…
こんな感じに
おめぇ絶対チャッキーだろ!!!!!!!!!
ちなみにチャッキーが登場するチャイルド・プレイの公開は1988年11月9日、
今作の全米公開日は1989年4月21日。まぁ子供の顔を人相悪くしたら大体チャッキーぽくなるかなぁ…。
今作は大ヒットとなり、実は続編も制作されているが興行収入はさんざんなものだったとか。
しかし歴史は繰り返す!なんと2019年4月にリメイク版がアメリカで公開されている。
日本での公開は未定ではあるが、ちょっと気になるところである。
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