家族愛や父性という裏テーマがあるものの、まさにアイデア勝負の作品でした!
あらすじ
超イヤミな上司、窓際ならぬトイレへの左遷、変人の父親…ダンカンのストレスは極限に達していた。しばしば猛烈な痛みに襲われ気を失うダンカン。
母親の強い勧めで、セラピストの治療を受けることに。そこで自分の肛門から奇妙な生き物が飛び出し、ストレスの原因となる人物を次々と襲撃することが判明。
しかもその後ダンカンの肛門に戻るという。想像を絶する状況に唖然とするダンカン。セラピストの勧めで、その生き物を<マイロ>と名付け、2人で暮らし始めるのだが―!?
主人公のア○ルはガバガバ
今回のクリーチャーは主人公から生まれてきます、それ自体はよくあるアイデアなのですが、生まれてくる場所が凄いんです。
なんと主人公の肛門!
マイロと名付けられるクリーチャーなのですが、結構な大きさにも関わらず出たり入ったりします、肛門はそうやって使うんじゃないよ!
そんな肛門を行ったり来たりの凶暴なクリーチャーなんですが、何故か中盤以降マイロが少しだけいとおしく見えるのはなんなんでしょうか。
マイロが示すもの
さてそんなバッド・マイロについて少し考察してみましょう。
本来男性というのは出産という行為をすることが出来ません、痛みに耐え、時には下腹部を裂いてでも子供を産み落とします。考察というかほとんどそのまんまなのですが、今作の主人公は疑似的にその出産行為を体験したと言えるでしょう。
マイロはストレスが生み出した怪物でもあり、現代人が抱える二面性でもあり、なにより利己的な面を強調した”赤ちゃん”のメタファーだったのです。
主人公の父はその怪物に向き合うことが出来ず、人間性を捨て厭世的な生き方を選びました。
しかし主人公はきちんとマイロと向き合い(最終的には殆どバラバラにしてしまいましたが)、肛門に戻すことで自己の二面性を認め父性を得るに至ったのです。マイロは主人公が新たな家族を得るにあたり、超自然的な力が与えた最終試験であったのかもしれません。
総評
主人公含め主要キャラクターのビジュアルが如何せん地味目なので、よく見るとちょっと可愛いマイロという魅力的なキャラクターが居ることで非常にバランスの取れた作品となっています。
ゴア描写もそこまでキツイものはなく、コメディ要素が強いですし、家族愛や父性という崇高なテーマも含まれているので万が一地上波放送があったら人気が出そうな感じがしました。
スタッフロール中にはNGシーンやカットされたシーンを流すという点は、古き良きコメディ映画を思い出させますね。
|
コメント