ラ・ヨローナ〜泣く女〜 メヒコの悲しき化け物

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メキシコの民話に着想を得たホラー映画で、ヒットメーカー・ジェームズワンと2017年版『IT』で脚本を務めたゲイリー・ドーベルマンという『死霊館』シリーズのタッグが制作を務めました!

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あらすじ

1673年のメキシコ。ヨローナは愛する夫に浮気され、嫉妬に狂った結果、夫が愛する我が子を溺死させ、自らも川に身を投げた。

そして、ヨローナは白いドレス姿の悪霊となってこの世をさまよって水のあるところに現れ、自分の泣き声を聞いた子どもたちをさらっていく。

1973年のロサンゼルス。ソーシャルワーカーのアンナは、子どもたちが危険にさらされているという、2児の母親パトリシアからの助けを無視する。

その後、パトリシアの子供達は川で水死してしまう。パトリシアはアンナに「あんたのせいよ!」と詰め寄り、さらに「あんたの子供もいずれ聞くはずよ。あの女の泣き声を」という不気味な言葉を投げつける。それこそが、あのヨローナの呪いだった

そしてパトリシアの予言通り、ヨローナが次のターゲットとして狙いを定めたのは、アンナの2人の子どもたちだった。

そんなアンナたちの前に信仰心を捨てようとしていたラファエル神父が現れ、最悪の呪いと対峙する。

ラ・ヨローナとは

ラ・ヨローナとはスペイン語で”泣き叫ぶ女”

ラテンアメリカの民間伝承、メキシコで有名。

女性は夫に愛されておらず代わりに2人の息子を愛していました。夫は別の女性と不倫したため、妻は息子を川で殺害。彼女は悲しみと怒りのために入水自殺し非業の死を遂げてしまいます。

しかし彼女は二人の息子の魂を見つけるまで天国への入国を拒否されてしまいます、かくして彼女は息子と同じくらいの年齢の子供をさらう幽霊となったのです。

この伝説、一説によると16世紀まで現在のメキシコのあたりに存在したアステカ文明にルーツがあるのではないかといわれているそう。

スペインのエルナン・コステロというコンキスタドール(=征服者)がアステカ文明を侵略した際、アステカ族の娘を愛人に取りました。

結果彼女はコステロの子を産むことになるのですが、コステロに捨てられてしまいます。悲嘆にくれた彼女は失意のまま自らの子に手を掛けてしまう。という伝承があるそうです。

倒せるタイプの化け物

今作、ナンバリングやタイトルには明記されていませんが、超常現象研究家のウォーレン夫妻が活躍する『死霊館』シリーズのスピンオフ作品

『アナベル 死霊博物館』と『死霊館 エンフィールド事件』の間に位置しています。

死霊館シリーズということで、今作のラ・ヨローナもいつもみたいに対処法があるタイプの化け物となっています。残念ながらウォーレン夫妻は出てきませんが、ラファエルというあんまりキャラ立ちしていない万能お助けマンが出てくることになります。

海外の化け物は日本の幽霊とは違い、割と物理攻撃が効くので恐怖感の質が変わってきますよね。

だからジャパニーズホラーが苦手でも海外ホラーを楽しめる方は潜在的に多いのではないかと思っています。

ちょっとMAMAやITぽい

今作も制作陣がそれぞれの作品で脚本や制作、監督を務めている関係で化け物の表情が若干『IT』のピエロっぽかったり、”無関係な子供をあの世へと連れていく化け物”というテーマ自体が『MAMA』と似通っていたりします。


母子を中心としたホラー映画、日本でも古くは『子育て幽霊』近年では『仄暗い水の底から』で見られるなど普遍的なテーマとして描かれます。

やはり人間にとって”は根源であり畏怖の対象であることが、こうしたホラー映画で扱われる所以なのではないでしょうか。

総評

スピンオフという事で仕方がないのかもしれませんが、別のキャラで死霊館をやっているだけの作品。キャラもパっと出の怪しいおじさんなので、そこまで愛着がわきません。

しかし良くわからん呪術で結界張ったり、わざと子供を出汁にして化け物をおびき寄せて直接対決に持ち込むなど、やはり悪霊退治物ならではの面白さは健在!

制作陣繋がりでの作品比較なんかもできるので見て損はない作品だと思いますよ!

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