ジャッキー・チェン、サモ・ハン・キンポー、ユン・ピョウ、香港が産んだ功夫マスターが一堂に介したアクションコメディの傑作です!
あらすじ
20世紀初頭のイギリス植民統治下の香港。
海賊が横行し、海を我が物顔で荒らしまわっていた。これを取り締まるはずのドラゴンたち水上警察は、いつもヘマをして海賊に逃げられてばかり。
さらにジャガー隊長率いる陸上警察と酒場で大乱闘事件を起こし、船艇が海賊に爆破されてしまうに至り、遂に水上警察は陸上警察へ吸収統合されてしまう。
その頃、海賊退治のため派遣されてきたイギリス海軍の提督までも海賊たちに捕まり、乗組員が人質になる。
香港総督は身代金を支払い穏便に済まそうとしたが、ドラゴンの説得を受け彼に旧水上警察部隊の指揮を一任。
お互いの正義を愛する心を知って和解したドラゴンとジャガー、さらにドラゴンとは旧知の仲で、密かに海賊の財宝を狙うコソ泥フェイも加わった精鋭メンバーは、乗組員の救出と海賊の全員逮捕を目的とした「A計画」(プロジェクトA)を発動させる
香港と海賊
海賊といえば”黒ひげ”エドワード・ティーチやインド洋のウィリアム・キッドなどアジア以外のイメージがついてしまっていますが、香港周辺にも大海賊がいたのです。
その名も張保(チャン・ポーチャイ)
19世紀の清王朝時代、大海賊鄭一に誘拐され海賊の一員となった張は、自身も大変貧しい漁師の出という事もあり貧乏人には食料や金品を与え、子分には貧乏人からの略奪を禁じるなどした事から、庶民からは貧しい人を救済した義賊として人気がありました。
ワンピースの読み切り『ROMANCE DAWN』で言う所のピースメインな海賊なんですね。
その人気は今も健在、複数回の映画化やディズニー映画『パイレーツオブカリビアン』での伝説の海賊の一人”サオ・フェン”のモデルともされる人物です。
まぁ今作では海賊がっつり悪役ですけどね。
椅子&椅子
漫画『彼岸島』ではお約束の一つに“丸太”が挙げられます。作中の吸血鬼が支配する彼岸島ではそこら辺に丸太が転がっており、主人公達はソレを拾って敵と戦闘を繰り広げる事が多く、丸太漫画とまで言われる始末。
それと同様、今作の様なジャッキー映画でお馴染みなのが”椅子”によるアクションシーン。
街中であっても敵のアジトであっても、とにかくそこら辺に置いてある椅子を使って大立ち回りをするんです!
そして役目を終えた椅子は大概大破してその命を終えます、
この世界の椅子はそういう風に出来ています。悲しいけれど、しょうがないのです。
超危険スタント
ジャッキーチェンの代表作といわれるプロジェクトA、主人公3人ともが功夫映画の主役を張れる人物ということもありますし、ジャッキーが大怪我をした世紀のスタントシーンが一際有名です。
それがこの時計台のシーン、実はアメリカのコメディ映画のワンシーンパロディだったりするのですが、なんと25メートルもの高さから代役なしで落下してます。
怪我必至のスタントの結果、なんと初回の落下で頭部から墜落!頸椎に重傷を負ったのは余りにも有名でクレイジーな逸話の一つです。
さらにジャッキーのクレイジーさを強調するエピソードが一つ、なんとこの時計台の落下シーンは6日間かけ、3回撮影されているという事です。つまりは25メートルの落下を3回、トータル75メートル落下しています。
75メートルというとイメージが浮かびませんか?
丁度上智大学の2号館と同じ高さです。
個人的には若いジャッキーの回し蹴りの思い切りの良さが気持ち良過ぎます。
総評
ため息の出るような身のこなし、息を飲むスタント、そして王道の展開にコメディ要素。功夫アクション映画の美味しい所がギュッと詰まった味の素のような映画です。
天は二物を与えず、ということわざは正直かなり薄っぺらい。
だって若干29歳で今作の主演・監督・脚本・武術指導を一人で行う才能が香港には生まれていたのですから。
Xserver Businessにほんブログ村
コメント