吸血鬼のモデルとして長年恐れられてきたヴラド三世の逸話を再構成し生まれた、ファンタジーアクションものの佳作!
あらすじ
トランシルバニア君主ヴラド・ドラキュラが統治する国は栄え、人々は平和に暮らしていた。だがある日、ヨーロッパ攻略を狙うオスマン帝国が、彼の息子を含む1,000人の少年の徴兵を要求してくる。
愛する妻や息子と国を守るため、ヴラドは大国相手に反旗を翻し、古代より伝わる絶対的な闇の力と契約を交わす。
オススメポイント
主演のルーク・エヴァンスがめちゃくちゃセクシーなので、渋くてかっこいいおじさん俳優が好きな人
多対個や制約と誓約のような少年漫画的展開が好きな人
無双シリーズのようなアクションが好きな人にオススメな作品です!
ヴラド3世って?
通称ドラキュラ公 または串刺し公、15世紀のワラキア公国の君主。諸侯の権力が強かったワラキアにあって中央集権化を推し進め、当時最大最強勢力であったオスマン帝国と対立した。
後世ブラム・ストーカーによる小説「ドラキュラ」に登場する吸血鬼のモデルとしての方が有名。
ちなみに“ドラキュラ“というのはタダのあだ名であり、“竜の子”というめちゃくちゃ中二病なものである。
串刺しや吸血など、野蛮なイメージがつきがちであるが、昨今は強大なオスマン帝国に隣接する小国ワラキアを守った名君とされ、今作もそのイメージが強い作品だ。
大いなる力には…
この台詞はスパイダーマン無印でしつこい程に多用されていたもの
確かに世界を幾度となく救っているかもしれないが、スパイダーマンってただ単に正義のためにこの力を使おう!って決心しただけの一般人。
対して今作の主人公は一国一城の主、自分の失政や敗戦が自らの家族と民衆を危機に晒してしまう
しかもヴラド3世はフィクションではなく実際に存在していた人間なのだ、スパイダーマンとの責任の重さが違う。
スパイダーマンよりよっぽど「大いなる力には大いなる責任が伴う」という言葉が似合うのがヴラド3世なのだ。
制約と誓約
今作では主人公であるヴラド3世が後世“吸血鬼ドラキュラ”と呼ばれていたことを逆手に取り、三日以内に人間の血を飲むと人間性を失うことを代償に、吸血鬼と血の契約を交わしたという設定だ。
この“強大な力を得るのに何かを失う“というのは少年漫画の王道展開だ、最近はそんな展開を一切無視して主人公がチョ〜〜〜〜〜〜強くなっちゃう作品が溢れているが、筆者は認めない。
血への渇望と人間としての生活の間で揺れ、吸血鬼としての圧倒的なパワーと引き換えに、国民から恐怖の目と迫害を受けるヴラド三世は間違いなく主人公だった。
アクションシーン
今作は従来のイメージとは違う、ダークヒーロー的なブラド3世が縦横無尽に飛び回るアクションシーンも魅力の一つ
自国に攻め込んできたオスマン帝国軍1,000人を1人でバッタバッタなぎたおすシーンや、コウモリを操り数万の軍勢に立ち向かうシーンは爽快感たっぷりだ
やっぱり多対個はアツい!
宿敵メフメト2世との一騎討ちも含めて、無双シリーズを彷彿させる作品である。
ちなみにメフメト2世は史実ではヴラド3世に倒されるのではなく、ローマ征服しにトルコに親征しに行って普通に病死している。
総評
男から見てもセクシーなルーク・エヴァンスの爽快無双アクションを楽しめる作品
誰もが知る吸血鬼ドラキュラ公の物語を、強大な力を得るために葛藤するヴラド3世を通して描き、見事に娯楽作品へと昇華している。
古来の吸血鬼を騙した犯人は誰なのか、という伏線は投げっぱなしであるものの1時間半飽きずに視聴できておすすめだ!
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